ヘイトスピーチ差別認定:子ども安全に学べる…原告が会見
毎日新聞 2013年10月07日 14時27分(最終更新 10月07日 16時16分)
京都朝鮮第一初級学校(京都市)校門前での「在日特権を許さない市民の会(在特会)」による街宣活動を7日の京都地裁判決は「人種差別に当たる」と明確に認定した。朝鮮学校の関係者からは「闘ってきたかいがあった。人種や民族に対する差別は絶対に許されないということを改めて司法が認めた」と評価の声が上がった。【松井豊、岡崎英遠、花澤茂人】
判決を受け、原告側は京都弁護士会館(京都市中京区)で記者会見した。京都朝鮮学園の孫智正理事長(56)は「朝鮮学校に通う子どもたちに対するヘイトスピーチの悪質性を認めた。日本社会に広がるヘイトスピーチ的言動を抑止する上で有効だ」と判決を評価した。
当時3人の子どもが朝鮮学校に通っていた金尚均さん(46)は「ヘイトスピーチ」を認める判決が出ても、判決日翌日にまた、在特会が学校周辺に街宣をかけるのではないかと不安だったという。金さんは「当時事件のあった京都朝鮮第一初級学校ではなく、今ある新しい京都朝鮮初級学校周辺の街宣差し止めを認めたことは大きい。親として子どもたちに笑顔で報告したい」と語った。
また、当時5年の長女が差別街宣にあった保護者会長(当時)の女性(45)は「判決を聞いてから涙が止まらない。事件は朝鮮人として生きる私たちの日常を踏みにじった。『朝鮮学校が悪いのか』『朝鮮人が悪いのか』と子どもたちに言われたこともある。今回の判決により、日本社会の中で安全に朝鮮学校で学べることを示した。子どもたちにはこれから堂々と生きていってほしい」と目を潤ませながら語った。【松井豊】