2011年の東日本巨大地震で悲惨な被害に見舞われた日本国民に対し、韓国人ほど心からの慰めと激励を送った国民はない。当時、韓国では日本国民を刺激するような言葉を一言でも口にするだけで激しい非難を受けた。災害に苦しむ隣国を前にして、人間本来の心が外に現れ出たのだ。またそれと同時に両国の国民の心が互いに通じ合えば、過去を乗り越えて共に新たな時代を切り開くことができるという希望を持っていたことも事実だ。
ところが日本はその年にも例年と変わりなく、3月には歴史教科書を歪曲(わいきょく)する指針を作成し、8月には防衛白書の中で「竹島(韓国名:独島)は韓国が違法に占領している」と主張。また政治家たちは平気で靖国神社を参拝した。政治家たちは「もうすでに謝罪したのに、何をまた謝罪しろと言うのか」などと反発を繰り返した。
今日本では何も恐れず良心の声を発信していた人たちの姿がほぼ見られなくなり、また彼らの中には逆に安倍首相を支える勢力になってしまったケースもある。韓国をはじめとする隣国はこのような日本の姿から、まだ100年も過ぎていない過去の歴史を思い起こし脅威を感じるのだ。しかし長い目で見れば、塩(新訳聖書のキリストの言葉「地の塩」)を失った日本、ブレーキが故障した政治家がつくり上げる日本は、日本国民を再び苦痛と悩みの中に追い込んでいくだろう。忘却の波に押し流される日本の良識ある人たちは、今こそ立ち上がらねばならない。今一度立ち上がり、日本を強くて正しい国につくり上げる道を切り開かねばならない。日本の良心勢力が力を失ってしまえば、アジアと日本の未来はどちらも闇に包まれてしまうだろう。