試合中に野村監督（右）と話す前田健

　広島のエース前田健太（２５）が“打たれ締め”で初のＣＳへの準備を整えた。今季最終戦の６日のヤクルト戦（マツダ）に先発したが、初回に山田に満塁アーチを浴びるなど６回５失点で降板。最多勝のタイトルと２年連続防御率１点台を逃した。

　前回９月２６日の中日戦で打球を右足に受けたこともあり、うまく下半身を使えない投球。ＣＳ前のラスト登板での何とも気になる乱調ぶりだったが、マエケンは「納得いく球は１球もなかった」と猛省しながらも「５回からはよくなってきた。シーズン関係なく割り切っていけると思う」と前向きに話した。

　周囲も心配する様子はみじんもない。

「悪かった次の登板ですごいピッチングをしてくるのがマエケン。修正ポイントが明確になって良かった。むしろ今回、良すぎる方が怖かった」（チーム関係者）。前田健には、乱調↓完璧投球の“やられたらやり返すパターン”が多いだけに、この日のピリッとしなかった投球もチーム内では吉兆と見ているのだ。

「うちのエースだから（ＣＳでは）しっかりやってくれるはず」と野村監督が言えば「ＷＢＣの時も『大丈夫か？』というところから本番では完璧だった。修正する力はあるから問題ない」と古沢投手コーチ。誰もがマエケン“黄金パターン”を信じている。