いよいよ、新たな五輪シーズンが始まった。バンクーバー五輪から、3年半。あっと言う間に経過したように感じられる。
10月5日、さいたまスーパーアリーナで開催されたジャパンオープンで、日本チームは昨年に続いて優勝。それぞれが五輪用のフリープログラムを初披露した。
女子で6人中1位となった浅田真央は、135.16といきなりパーソナルベストを更新した。彼女の新フリーは、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」。フィギュアスケート界では定番の“勝負曲”と呼ばれる音楽で、これまで高橋大輔、村主章枝など、多くのスケーターがこの音楽を五輪プログラムに選んできた。振付は、長年彼女のプログラムを手掛けてきたタチアナ・タラソワである。
圧巻だった浅田のステップシークエンス。
「シーズンオフに練習してきたことが、まずまず出せたと思います。次につながる試合になってよかったです」
浅田真央は会見で、少しほっとしたような表情でそうコメントした。
出だしの3アクセルは着氷でオーバーターンしたものの、回転は承認された。予定していた3フリップ+3ループが、3+2になるなど技の難易度を下げたところはいくつかあったものの、ミスらしいミスはルッツの不正エッジと、3サルコウで片手をついて回転不足と判定されたことのみ。
最後のステップシークエンスの部分は圧巻で、彼女ならではのたおやかながらも力強いスケーティングを見せた。動作の一つ一つが美しく、昨シーズンにもまして滑りが伸びやかに見える。すべてのスピンとステップでレベル4を獲得し、芸術性などを評価される5コンポーネンツでは8点台半ばと高い点が並んだ。
女子で唯一、6種類の3回転ジャンプを入れた構成が光る!
「課題にしていた、スピンやステップのレベルが取れたことは良かったと思います。ジャンプは失敗することもあるけれど、ここでは大丈夫かなと思っていたジャンプでちょっと失敗してしまった。次はそういうことがないようにしたいです」
不安があったというのは、サルコウのことに違いない。3アクセルに強くこだわっていたバンクーバー五輪当時の彼女のプログラムには、苦手意識のあったルッツもサルコウも入っていなかった。当時に比べると、現在の浅田のフリーは格段にバランスのとれた構成になっている。女子の中で唯一、アクセルも含む6種類の3回転がくみこまれているのだ。
自らの弱点から目をそらすことなく、佐藤信夫コーチと新たなスタートをきって3年半。現在の浅田真央は、当時の彼女とはまったく異なるスケーターに成長した。
彼女の新たな五輪への挑戦がいよいよはじまろうとしている。
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