GODEATER~三爪炎痕の記録~ (陸茶)
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Work of the first 第零話 プロローグ

___2060年 日本 埼玉_――




戦闘開始から数分、新兵達(テメェら)は戦場で溺れるモンだ。


……何に溺れるかって?
野暮なことを聞くものだ。戦場で溺れると言ったらアレしかないだろう。
訓練学校で習わなかったか……テメェら運がワリィな。
まぁいい。こっから帰ったらそのクソを呼び出してソイツのケツ毛を全部むしってやれ。


んでだ、何に溺れるかわかったか?わかんねぇか……なら想像してみろ。
これから俺らが向かう■□■□とかいう死が飛び交う場所を。
聞き取れなかった、だと?まぁ、そんなら仕方がない。そんなもんすぐわかるからな。
おっと、もうすぐポイントだな。テメェら、装備確認しとけよ!!




「まったく……これから向かうのが地獄の一丁目じゃなくてホテルならよかったのになぁ。
この先君みたいな美人と出かけられる機会も保障も無いだろうし。」

隣りに座る、同僚のマルクが私の向ってポツリとそんなことを言った。
……年がら年中こんな事言ってるから嫌なんだよな、コイツは。


ギギィーというブレーキ音。その直後、地面が揺れる。どうやら時が来てしまったらしい。
部隊長の顔つきが替わった。何だかいつにもましてゴリラっぽく見えるな、コイツ。


「……クソども、気ぃ引き締めてけ。 (タマ)落とすんじゃねぇぞ!!」



部隊長を先頭に私たちは、装甲車から飛び出た。









戦闘開始から数分。

あの脳筋部隊長が言っていた通り、私たちは恐怖に溺れた。


遠く離れた場所から放たれた棘が奏でる音は低く濁っていて、不快な振動を伝えてくれる。
腹を揺り動かすえらく乾いた音だ。むず痒くて仕方がない。
近くをかすめて飛んでいく棘は先程とは打って変わって高く澄んだ音を奏でてくれる。骨をビリビリと震わす傍迷惑で不快感たっぷりの音を。
そいつは私の身体に風穴を開けようと飛んでくる。
地面に突き刺さり、土ぼこりをあげる。
汚い土埃の即席カーテンにまた別の棘が穴を穿つ。
飛んでくる棘は細い蝋燭にも見て取れるが、コイツは蝋燭みたいにあまくない。
秒速200mで飛んでで来る蝋燭なんか蝋燭じゃないだろう?
ホントは矢と呼んでもいいが矢にしちゃあ不格好すぎる。だから棘って呼ぶんだ。
それにコレは見た目に反して異常に固い。どれくらい固いかだって?
まぁ、何とか細胞を塗ったくった20ミリ徹甲弾でやっと貫通出来るぐらいとでも言っておこうか。そんな固さですっ飛んでくるんだ。当たりゃ人間なんか一発でミンチ。
防弾ジャケットなんか意味が無い。紙切れ同然に貫いてきやがる。
訂正、ジャケットには余計に汗をかかせてくれるっつー無駄な意味があった。
ま、そんな棘とかが飛んでくるんだ。こんな場所怖すぎるだろ?


だから私たちは恐怖に溺れたんだよ。


それと同僚のマルクは速攻で死んだ。装甲車を出てすぐに吹っ飛んだ。
そう、あの棘をまともにくらってな。どてっ腹に大穴開けてさ、十秒くらい滑稽なタップダンスを踊って動きを止めた。衛生兵なんて呼ぶだけ無駄だったし、そんな高価なヤツは最初っから居ない。なんで衛生兵を呼ぶだけ無駄かって?


体が二つに千切れたヤツが助かると思うのか、お前は。


食事の度にオカズを奪って、麗しき乙女である私相手にエロトークぶちかます最低な野郎だった。だが、死んでしまった方がいいと思う程悪い奴じゃなかった。
むしろ死んでほしくなかった、かな。最近彼女できたって喜んでたし、何よりアイツは面白かった。最後に不格好なタップダンス見せてくれてありがとな、クソッタレ。

テメェの仇は必ず討ってやるから、安心して天国でまってろ。


あぁ?……私らが何と戦ってるかって?

○?☆◆≠□だ。あ?また聞き取れねぇってか、クソッタレ!!

2本足のトカゲみてぇな姿だったり虎の姿をしたりするクッソたれなバケモノだ。
こっちが何十発も鋼鉄の死をぶち込もうが死にやしねぇクソども。
おまけに数も多いときたもんだ。ファック、ファック、ファック!!


このクソッタレどもが……………!!!



戦闘開始1秒で死んだ仲間(バディ)にむかって、ファック!

湿気ったロケットランチャーにファック!

ロクに支援出来ねぇ砲撃部隊にファック!

無謀な作戦立てた連合軍の策謀長官にファック!

そんなもんより私らの命を狙うクソッタレなバケモノにファック!!
ありったけの鋼鉄の死を!怒りをぶち込んでやれ!!

敵が、大口開けて飛び込んできた。
さっき拾った鉄筒を肩に担げ! 頼りないグリップを握れ!

……さぁ、今だ! 鋼鉄の杭を、怒りを、ぶち込め!!

鉄筒に内蔵された爆薬が鋼鉄杭(パイルバンカー)を打ち出す。打ち込まれたバケモノは、顔面をひしゃげさせてぶっ飛ぶ。そいつのブチ撒けた血と臓物の鉄臭い雨が私を濡らす。
不快感MAXのヌメる血の雨を浴びたって言うのに、気分は悪くない。むしろ気持ちがいい。
これがコンバットハイってやつか。言う程悪くはないない、むしろ癖になりそうだ。


ハッ!!ザマァ見やがれ、バケモノ!!


口の中に鉄の味が広がる。バケモノの薄汚ねぇ血でも入ったか。気持ちわりぃ。
さっきからずっと腹から下の感覚が無いんだが、まぁいいか。
痛かった傷口は気にならない。それが良いのか悪いのか知らないが、苦痛というのはそいつが生きていることの証だそうだ。そんなことを教官が耳だこになるまで言っていた気がする。
まぁ、おかげでさっきチビッた小便の事を気にしなくていいのは助かるが。あれって意外と気持ち悪いんだからな、お前らが想像するよりずっと不快なんだぞ。

前後左右を見わたし、武器を構える。
必要以上に力を入れるな、着弾点がずれるぞ。自分にそう言い聞かせながら、トリガーを引く。

皆くたばれ!! 動く奴はみんな敵だ!!
ビビって小便漏らしてる暇ありゃ銃弾を撃って撃って撃ちまくれ!!
残弾なんて気にすんな、とにかく撃って撃って撃つんだ!!!
死んだら撃てねぇから!! 弾が切れたら死体から奪い去れ!そしてどんどんぶっ放せ!!

そして敵に、多くの死神の息吹きを感じさせてやれ!!


……まぁ、あんなバケモノが私ら人と同じ恐怖心を抱くとは思えないが。


さっきから言うように、私ら連合軍の敵はバケモノだ。
最初名前が無かった細胞の群体であるクソ共を、人類は「アラガミ」と呼ぶ。 
何が()()、だ。喰うことしか能がねぇくせによ、笑わせてくれる。
まぁ誰がどう呼ぼうが、敵は敵だ。醜い骸晒してくたばれ。

弾が切れた。
残っているのはの壊れかけた鋼鉄杭(パイルバンカー)一本。 ……クソッタレ、なんも出来ねぇ。

周りにあんのは使えない(なかま)だけだ。
弾はもう撃ち尽く、奪いつくした。
最悪だ。だからいったんだ、一人1000発じゃ足りねぇって。
鋼鉄杭(パイルバンカー)も使い捨てじゃダメだって。


土煙の中に顔面のひしゃげたさっきのバケモノのシルエットが見えた。
やっべぇ、目が合った。つーか、アレで死なないとかどんだけだ。


あー、クソ……私の人生もこれで終いか。


ダンプカーに轢かれるのを待ち受ける猫ちゃんになったみたいだ。
なんで私がこんな目に合わなきゃいけないだよ、クソッ!!


もうだめだ。
……父さん、母さん、美咲。 姉ちゃんは此処で死ぬみたいだ。


味方も、親友も、だれ一人いない孤独な戦場の中で。
誰も看取っちゃくれないんだろうなぁ。あ、看取られる死体(からだ)なんか残らないんだっけ。どーせこのままグチャッて喰い殺されるんだろうしさ。痛いのかなー、喰われるのって。……今思えば私、12年しか生きていないんだよね。思えばクソ程に短かった。燃え上がるような恋もできなかったし、お洒落も何もできなかった。


あーぁ……私のクソッタレ。年齢偽装してまで連合軍になんか入隊しなきゃよかった。




「……わたしの、ばーか」





少女の戦意は喪失していた。その証拠に、彼女は手元に残された唯一の武器になり得たモノすら構えなかった。彼女は膝を立てたまま太陽の見えない黒く煤けた空を見上げ、土で汚れた頬に涙を伝わせながら笑っていた。



荒神が迫る。

死神の息吹が耳元に聞こえ、死神の姿が視界に。



――――――見えた。




死神は絵本かなんかでよく見かける格好にちょいと似ていた。
ただ、その死神はおおよそ死神らしくない。

まず、手にする武器が鎌じゃない。言うなれば燃え盛る牙っぽい剣。
それも2m級の巨大なヤツ。わざわざ作ったのだろうか?だとしたらご苦労な事ですね。
死神が持つアレはいわゆる浪漫武器と言うアレな武器なのだろうか。浪漫武器を使うなら、気が合いそうだ。私も好きだからなぁ、浪漫武器。……厨二臭いとかいうな。


死神はそんな得物を持ったまま非常識な速度で突進。白い足が私を蹴り飛ばす。


あー……そうですか、最近の死神は蹴りで殺すんですか。随分原始的な事で。


肋骨が何本か折れる感触を味わい、ふざけたことを考えながら、私は吹っ飛ぶ。
着地と同時に息がつまる。天地がひっくり返る。私は血反吐を吐いて、地面を何度かバウンドしながら飛んだ。私は5m程吹っ飛んだ。ジャケットの背中で地面をガリガリと削って、ようやく私の身体は止まった。うん、初めてジャケットが役に立ったっぽい。


死神が、巨大な獲物を一振り。


アラガミの固い皮膚が切り裂かれる。


たったの一撃だ。



何十発、何百発もの鋼鉄の死をくらわせようが死ななかったバケモノが。
たったのそれだけで死んだ。体に三筋の焼き斬られたような傷跡をつけられて。
人類が叡智を結集して作ったクソッタレな武器でやっと傷つけることができる敵を、ソイツは漫画に出てきそうな馬鹿みたいにデカい牙剣で屠ったのだ。

死神はゆっくり振り返ると、牙剣を肩に担ぎこちらに向かってきた。
あぁ、アラガミの次は私を殺すんですか。
そんなことを考えながら、私は電池の切れた人形のように転がっていた。
死神は私の隣りまで来ると静かに牙剣を突き付ける。目の前に突き付けられた刃は、お世辞にも斬れ味が良いとは言えないほどに傷んでいた。
数秒程、刃を見詰めていると死神は刃先を私から外し、その場に腰を下した。なにがしたいんだ、こいつ。そんなことしてっと死ぬぞ。


「……って………。 そ…………?」



おおよそ戦場にいるとは思えない行動を取った死神を、馬鹿にしていた私の脳に聞こえたのは女の声。しっかし女の声が小さいんだか、周りがうるさいんだか、声はよく聞こえない。……イライラする。私は立ち上がる事すらできなかった。戦闘の疲れと傷でガタが来た身体じゃ、仰向けになって死神のツラを拝むのが精一杯だったから。

よくよく見ると、そいつは冥府のお使い様ではなく、私と同じ乙女だった。
血で染まったフェンリル軍旗に身を包んだ、雪の様に真っ白な髪と肌をもつ碧眼の少女。


あー、噂通りの……あんたがそうですか。



三爪炎痕≪フレイムエッジ≫




何処からともなく現れては戦場を骸で埋め尽くし、その身に血を浴びて狂気の笑いをあげるバトルジャンキー。その目に映る生きもの全て骸に変える狂戦士(バーサーカー)。今まで人類が殺してきたアラガミの3分の2はコイツが殺したとまで言われている。私を狙え、とでも言わんばかりの恰好をしていて今まで生き残ってきた。そうだというならコイツは本物の死神だ。

少女は牙剣を地面に突き立てると、ゴロンと横になって私の方を向いた。


「聞きたいことがある」


聞こえたのは透き通るような美しい声。


「極東にはジャイアントトウモロコシとか言う馬鹿でかい植物があると書いてあった……その話は本当か?」


……ここは戦場なんだぞ。なんでそんなに落ち着いて話が出来るんだ、クソッタレ。
ここは同僚が何人も死んで言った場所だ。ここは連合軍兵士が何千発も銃弾をばらまいて、死に物狂いで戦って。泥や血にまみれて這いつくばってきた場所だ。

「少し前、本で読んだ知識を鵜呑みにして悲惨な目にあった。 それからは、現地の人たちに聞いてくことにしたんだ」

そんな場所だってのに、この呑気な死神は。まるで道端であった知人と世間話でもするかのような口調で話しかけてきやがる。人様が死にそうだってのに、ジャイアントトウモロコシ? なんも言わずに人を蹴り飛ばしておいて、ジャイアントトウモロコシ? ふざけてるのか、お前は。
思いっきり汚い言葉使いで罵声を浴びせてやろうかと思った。だけど、言葉が出てこない。まるで、頭では言葉の使い方を覚えているのに、口の方が言葉の使い方を忘れてしまったように。

「小説というジャンルの本は、知らないことでも本当に見たように書くのだそうだ。まぁ、このことを教えてくれたのは、とある小説家なんだけど……とりあえず唾を飲み込んで。 鉄筒を手放して。 ゆっくり、深呼吸しよう」


言われた通りにしてみた。さっきまで頭に上っていた血がスーッと降りて行った。死神の言葉には人を落ち着かせる不思議な力があるらしい。よし、あの世でマルクに会ったら教えてやろう。


……あ、痛い。 ………痛い痛い痛い痛い痛いっ!!
暫く忘れてた腹部の痛みが戻ってきやがった、クソッ! 


「痛いの……か?」


「あ……たりまえだ、……バーカ」


自分でも情けないと思えるくらい弱々しい声がでた。だっせーなぁ。
死神は上体を起こすと、私の腹部をじー……っと見ている。そんなにじっと見てんじゃねぇ……恥ずかしいだろ。



「なぁ、今どんな戦況か……わかるか」


「このエリアは貴女以外全て死んだ」


「……マジか」


「うん」


「で、私の……方は、ど……うだ?」


「右下腹部を棘が貫いてる。血が止まらない」


「ひどいか」


「ひどい」


「畜生……クソッタレ」


「……」


「私は、死ぬのか」





「死ぬ。 もってあと10分」






涙が頬を伝う。
クソッタレ……なにまじまじと見てんだよ。
こんな情けないツラ、見んじゃねぇよ……ばーか。



「名前、言える? 貴女自身の名前を」


「サヤカ……」


「サヤカ。 君が死ぬまで、傍にいていいかな」


「……好きに、しろ」


「そう」


「ああ、そうだ。 ちょっと……頼み、ごと……してもいいか」


「構わないよ。 頼みごとって何かな」


「ペンダント。私の……胸についてる、ペンダントを……美、咲に、届けてくれ」


「美咲……小野塚 美咲か?」


「な、なんで知って……る」


「貴女には関係ない……それと少し事情が変わった。 貴女の頼みは受けられない」


「美咲にペンダント渡すなら自分で渡して」


「お……い、なん、だよ。 話が……違う、だろ」


「話すさないで。 助かるものも助からなくなるから」


「さ、さっきと言ってる……事が」


「黙れ。 死にたいの?」


「……」


「団体様のご登場みたい。 少しの間そばを離れさせてもらうよ」


周囲を見渡すと本当に団体様がいらっしゃいやがりましたよ、クソッタレ。
ひぃふぅみぃ……あぁ数えんのも面倒なくらい居やがる。
……うわぁ、絶対折れない死亡フラグ二本目。やっふー、もう笑うこともできません。


「何があっても、そのまま動かないで」


敵を見据えた死神が私に口早に告げてくる。反論の一つや二つを吐こうと思った時、ソコに死神の姿は見えなかった。どこへ消えたかと思った瞬間、私の背後でくぐもった爆発音。強烈な地鳴りが背筋を震わせる。何だと思って振り返えろうとすれば側面から上がる爆炎と熱風。空にはバラバラに四散した炭っカスや肉片。巻き上がる砂塵が晴れた後に残るは焦げた大地にクレーターに血と肉片。

横たわる私が視界の隅に死神の姿を捕えた時にはすでに、アラガミの数は十分の一程に激減していた。

死神の振う刀身はまるで自ら輝く恒星のように煌めくと、次いで空気を震わせるほどの衝撃波を巻き起こした。死神の足もとの地面は捲れあがり、炎と砂塵が舞いあがる。
死神は爆風によろめくアラガミ達の上空に飛び上がると、大きく振りかざした燃え盛る牙剣を渾身の力で振り下ろす。
切り裂かれたアラガミの身体が崩れ落ちるよりも先に、勢い余って地面に食い込んだ牙剣は凄まじい衝撃波を生み出した。刹那にそこは爆心地と化し、死神を中心としてアラガミの死体を吹き飛ばす。衝撃波にあおられ、体勢を崩した敵に向かって死神は地面を蹴り、非常識な勢いそのままに斬りつける。


いくらなんでも出鱈目すぎる。戦闘開始から5分程で星の数ほどいたアラガミの殆どを一人で屠りやがった。しかも死神の振うあの得物、サイズから見るに重量は相当なものになる筈だ。軽く見積もっても300強の重量はあるだろう。なのに……なんであの死神は小枝でも振り回すように軽々しく振ってる!?
どう考えても普通じゃねぇ……一体どんな体してやがるんだ。そんな超重量級の武器、最近生まれたと話に聞くゴッドイーターだってあんなに軽々しくは振えないはずだ。

様々な事を思案しているうちに、周囲一帯に動くものはなくなった。螺子の切れてしまったボロ人形の様に横たわっている私と、血に染まった死神以外は。



私はまた仰向けになって空を見上げた。大きな太陽が空の中央に陣取っていて暑い日差しをガンガン注いできやがる。暑っついんだよバーカ。
……そーいや戦闘が始まったのは午前9時くらいか。
なんてこった……たったの3時間しか戦ってないのか、私らは。
とういうとなんだ、3時間で二千人もの人間(みかた)がくたばったのか。
ふざけんのも大概にしやがれ。私らはアラガミの餌じゃねーんだぞ、わかってんのか? 
クソッタレンゴウグンの司令官様は。


あぁ……視界がぼやけてきやがった。
私も、ここ……まで、か……チクショウ……





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