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【大リーグ】

上原、PS初カーブで王手 11球すべてストライクで3人締め

2013年10月7日 紙面から

◇ア・リーグ地区シリーズ レッドソックス7−4レイズ

 まさに地鳴りのような大歓声が守護神に降り注いだ。9回、最後の打者マイヤーズを追い込むと、背番号19が登場した時点で勝利を確信している球場はもう興奮のるつぼ。11球目。90マイル(約145キロ)の直球で一ゴロに打ち取り、上原が力強くガッツポーズ。「勝って良かった。声援? 聞こえましたよ。でも、自分の世界に入ってるんで」。打者3人をいとも簡単に退け、PS初セーブ。総立ちの「コージ」コールの中、右腕は静かに勝利を喜んだ。

 圧巻だった。11球投げて、ボール球はゼロ。1人目のジョイス、2人目のロバトンと連続で3球三振。3人目のマイヤーズも2球で追い込んだ。9球目は外角のフォークボールにバットを当てられ、1980年以来となる「9球で3者連続三振」の快挙はならなかったが、まるで危なげない内容。捕手のロスも「マイヤーズは偉業をさせないためだけに当てにきた。それだけ彼は別次元にいる」とうなった。

 悪夢を乗り越えた。レンジャーズ時代の2011年。PSに初出場した上原は3試合連続で本塁打を浴び、自信喪失。ワールドシリーズ(WS)は登録メンバーを外されるという屈辱を味わった。あれから2年。新天地で守護神を任された今季は37人連続アウト、30イニング1/3連続無失点の離れ業を記録。「過去のことは忘れた。明日を見た方がいい」。完全に自信を取り戻し、今や大舞台でも動じないメジャー屈指のクローザーだ。

 前日は大量リードで出番なし。この日は「7回はちょっと勘弁してほしいですけど、8回途中からっていうのは言われました」。結果的に田沢が8回を抑えて出番は1イニングとなったが、短期決戦ではフル回転をいとわない覚悟。頼もしいベテラン右腕に、ファレル監督も「彼は驚異的だ。きょうも褒める言葉が見つからない。ベンチで安心して見ていられるんだ」と全幅の信頼を寄せる。

 投打がかみ合い、チームは2連勝。早々にLCS進出に王手をかけたが、慢心はない。「(王手を)かけただけで、別に決まったわけじゃない。決まってから喜びたい」。敵地での第3戦。LCS進出を決める瞬間も、マウンドには仁王立ちの上原がいるはずだ。 (ボストン穐村賢)

 

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