踏切救助で死亡　村田さん通夜　父「奈っちゃんは偉かった」

神奈川県警から感謝状を渡される、ＪＲ横浜線の踏切事故で亡くなった村田奈津恵さんの父恵弘さんと母春子さん＝６日夕、横浜市緑区（遺族提供） Photo By 提供写真

　横浜市緑区のＪＲ横浜線踏切で高齢男性を助けようとして電車にはねられ亡くなった会社員村田奈津恵さん（享年４０）の通夜が６日、同市の十日市場奉斎殿で営まれた。

　祭壇にはほほ笑む村田さんの遺影が置かれ、会場の外には焼香を待つ親族や友人が最長約１００メートルの列をつくった。

　小、中学校の同級生という緑区の主婦（３９）は「昔からとても優しく、人助けの気持ちが行動に出たと思うが、自分の命も大切にしてほしかった…」と涙。

　中学校の吹奏楽部で２年後輩だった緑区の会社員八尋雪乃さん（３７）は「（奈津恵さんは）パーカッションの担当だった。その代の先輩に厳しい人が多かった中、とても温かく接してくださった」と目を赤くした。

　菅義偉官房長官も弔問し、安倍晋三首相名の感謝状を遺族に贈り「真に勇気ある行為を心からたたえる」との首相のメッセージを代読した。

　参列者によると、父惠弘（しげひろ）さん（６７）は気丈に振る舞い、母春子さん（６６）は涙ぐんでいたという。両親は「奈津恵に“たくさんの方がおまえを褒めていたよ。奈っちゃんは偉かったよ”と伝えました。奈津恵の行動を誇りに、頑張って生きていきたい」とコメントした。

　葬儀・告別式は７日午前１０時半から同所で営まれる。