Ａ．Ｂ．Ｃ−Ｚ　伝説継承　４７年前のジャニーズと“共演”

　ジャニーズ事務所の５人組アイドルグループＡ．Ｂ．Ｃ−Ｚが、事務所の第１号グループ「ジャニーズ」の“幻の全米Ｎｏ．１ヒット”曲「Ｎｅｖｅｒ　Ｍｙ　Ｌｏｖｅ」をカバーし、ＤＶＤシングルとして発売することが決まった。６日に東京・有楽町の日生劇場で初日を迎えた主演ミュージカル「ＡＢＣ座２０１３　ジャニーズ伝説」の記者会見で発表された。発売日は未定。

　「ジャニーズ伝説」はジャニーズが米国での本格活動を目前にしながら解散してしまった実話を軸に、フォーリーブスや少年隊などのアイドル史を追った物語。橋本良亮（２０）はジャニーズのあおい輝彦（６５）役で、戸塚祥太（２６）は米国で出会った大スター、ビング・クロスビーらを演じる。

　劇中でも歌われる「Ｎｅｖｅｒ−」は、６６年に渡米したジャニーズが翌年の全米発売を目指して録音したが、日本で多忙だったため再渡米できずにお蔵入り。６７年に米グループ「アソシエイション」が同曲を発売すると全米１位の大ヒットになった。ジャニーズは米国録音の別の曲を全米発売したがヒットせず。ジャニー喜多川社長（８１）は「今でももったいないと思う」と運命のいたずらを振り返る。

　その後、７２年にフォーリーブスがアルバムで、７７年には事務所を離れたあおいもソロアルバムで同曲をカバーしたが、ジャニーズ事務所のアーティストのシングルとしては、Ａ．Ｂ．Ｃ−Ｚが初となる。橋本は「歌うのは緊張するが、受け継いでいきたい」とキッパリ。劇中では幻のジャニーズ音源に合わせて歌い、４７年の時を超えた“共演”も果たした。

　今月３日にはあおいも稽古場を訪れ、５人の歌を聴き「昔のことを全部思い出したよ」と感動の涙を流していたという。舞台では得意のアクロバットを生かし、５人がそれぞれ回転する車輪に入る新技「５リングス」を披露。河合郁人（２５）は「東京五輪も決まったことだし、僕らも日本を代表する存在になりたい」と夢を語った。