家入一真氏「生きているからには、人の心をざわざわさせたい」

2013/10/07


すばらしいイベントを企画していただき、家入さんと久しぶりに対談させていただきました。いやー、面白かった!色々奔走していただいた宮森さん、ありがとうございます。

家入一真講演会!自分を晒してとことん自由に生きろ!


家入一真氏の頭のなか


講演は二部構成で、前半は家入さんの単独トークでした。ツイッターでも実況しましたが、単独トークの内容を軽く書き起こしたので、ブログにてご共有いたします。

————

家入さん:みなさんこんにちは、家入です。最初はイケダ君との対談じゃないんだね、ひとりで話すものだとは思ってなくて…うーん、何を話そうかな…。

最近パズドラしていて、あんまり家から出てないんですよね。パズドラやってる人、手を挙げてください。…(会場挙手)…意外と少ないですね。まぁ、秋ということもあって、最近家から出ていないんですよね。

そういうときは、脳みそのなかで考えるんですよね。家に篭って色々なこと、ろくでもないことを考えるんです。


住民票を一斉に移動させたらどうなるんだろう?

家入さん:最近妄想していたのは住民票を移動させたら面白いんじゃないかな、ということです。いま、村を作ってるんですよ。100万坪の土地をもらうことになって。100万坪というとすごいんだけだけど、本当にただの山で、どうしようもないんだよね。電気も水道もネットもバスも通ってない山で。こっちは少しずつプロジェクトを進めてます。

「Liver邸」というのもやっているけれど、生活コストを抑えて一緒に暮らしながら、やりたいことを模索するような場所です。でも、シェアハウスなので大人数が暮らせるわけじゃなくて。だったらいっそ村を作ってしまえ、と。ここなら3万円で生きていける、という空間を作りたいと思ったのがきっかけです。

で、パズドラをしながら、住民票のアイデアを思い付いたんだよね。ボロ古民家とかに1,000人の住民票集めたら、なんか面白いんじゃないかなぁ。住民税も払うし、過疎った村もハッピーになるかもしれない。市長選、村長選とかで立候補したら当選しちゃったりするんじゃないか…とパズドラやりながら妄想するんですよ。

そういう妄想にたどり着くと、いったんパズドラをやめて、ツイッターに流してみる。面白い!という意見もあれば、そんなのダメでしょ、という意見もある。突っかかってくる人も多いんだよね。昔はそういうめんどくさい人たちに、いちいち「おまえバカか」と言い返していたけど、大人になったのでそういうことはやめました。

こういう人は多いんだけど、「普通に考えてダメでしょ」という意見がよく届けられる。でも、いったい何が「普通」なんでしょう。果たして住民票だけ移すのは本当に善いのか悪いのか、脊髄反射で悪いと言ってしまっているように見える。あとは「周りが悪いと言っている」から「悪い」とか。そうではなく、自分の頭で悪いかどうかを考えよう、ということを伝えたいんだよね。

でも、やっぱり凹むんですよ、ぼくだって。朝起きて、いきなり「死ね」と言われると、けっこう……こう、「ビール飲もう」となるんですよね。ビール飲むと元気でるけど、酔いが冷めると、またテンション下がるんですよね。

うーん、あれ、何が言いたいか分からないんだけど…テーマなんでしたっけ?

スタッフ:「今考えていることを自由に話してください」ですね。

家入さん:自由にって言われると喋れなくなるんですよね…人間にはある程度制約が必要で…(笑)。…いや、お金払ってきてもらってるんだから、うーん、最近パズドラもレベル上がってきて、息子に「パズドラの攻略法教えろよ!」と電話したんです。最近は息子がけっこうパズドラのダンジョン巡りをサポートしてくれるんですよ。…いやいやこんな話聞きたくないよね。何話そうかなぁ…。


銀行口座の暗証番号を晒したらどうなるんだろう?

家入さん:そうだ、最近、銀行口座の暗証番号を公開しようと思ったんです。これは本当に怒られた。自分の銀行口座は何度か公開してきたんですよ。ツイッターで「ビール代ください」というと2〜3万振り込まれたりする。たまにホントにビール代がなくて。これすごいですよね。

変な表現だけど、「ビール代詐欺」と言ってます。「これは詐欺なので、みなさん被害に遭ってください」と言うと喜んで被害に遭ってくれる人たちがいる。彼らにちゃんと被害者番号を振って、「ビール代詐欺被害者の会」を作ろうと考えてます。

同じような感じで、銀行口座をツイッターで晒してみたら、お金をくれる人がいるかもしれない、わからない。「親が餓死するかもしれない」といっても集まらないかもしれない。不幸だからお金が集まるわけでもない。これは、何がきっかけで人はお金を入れたいと思うんだろう、という実験だったりもします。

口座晒し祭りについても、危険じゃん、それ個人情報じゃん、という意見があった。いやいや、でも、法人ってホームページに口座晒してますよね。個人事業主の人とかもウェブサイトに載せてます。結局みんな、何が「個人情報」かをよく考えず批判しているんじゃないかな。ぼくは住所、電話番号、口座を公開してますし。

まぁ、そんな感じで、何が「晒せる」のかをずっと考えていました。で、まだ晒されてないのは「暗証番号」だ、と思った。暗証番号のなかでも、特に面白い「ネットバンクの暗証番号」を公開しようと思った。みんなで口座を共有してしまえ、と。使いたい人がお金を使い、入れたい人がお金を入れる。日本に昔あった「講」とか、互助会のような仕組みですね。

銀行口座を晒すのがうまくいったら、ウェブサービス化してもいいんじゃないかな。振り込んだ人は「善い人ポイント」が溜まっていく仕組みにして。ポイントで何ができるわけじゃないけれど、たとえば2000ポイントあれば、「お前すごい善い人じゃん!」とか評価されたり。


「何が善くて、何が悪いのか」を問い直す

家入さん:こういう活動の根底にあるのは「何が正しくて、何が正しくないのか」を問い直したい、という気持ちがあって、それをあえて狙っている部分もあります。で、やってみると、案の定、ざわざわする。これは善くない、正しくない、迷惑だ、やめろ、などなどの反応が返ってきます。そういう機会を提供することで、考えるきっかけになるじゃないですか。

ビジネスにせよアートにせよ、何かをやる以上は、人の心をざわつかせたいと思う。ぼくがあえて何かをしなくても、普通にみんな生きていけるじゃないですか。ぼくが死んでも、明日みんな朝ごはん食べるし、世界は変わらず回っていきます。やるからには、ざわざわさせないと意味がないと思っています。どうせやるからには、これって善いのかな、悪いのかな、とざわざわさせるものを作りたい。

アートとビジネスは似てると思っていてですね、アートというのは「この時代において、自分はこう思う、こう思ったものを、こう表現してみました、みなさん見てください」というもの。これがアートだとしたら、ビジネスもまったく同じだと思う。

よく例えるんだけど、池に石を投げて、どれだけ大きな波紋を起こせるか。ビジネスもアートも、心をざわつかせるようなものを生み出したいと思って、日々やっています。はい。


新刊について

スタッフ:(本の宣伝をしてください)

家入さん:え、本か。宣伝…宣伝って嫌なんだよね…。でも、買ってもらわないと、というのもあるし、うーん、えーと…もうすぐ2冊本が出ます。

一冊は中高生向けの起業本です。なぜ出したかというと、今40社くらいに投資しているんだけど、そのうち2社は中学生のときに投資したんです。15歳から印鑑証明が取れるので、会社創れるんですよ。起業できるんだったら、若いうちにやってもいいんじゃないか、と思って。

というわけで、15歳から起業できるんだったら、みんなやってみて、ダメだったら潰せばいいんじゃないの?みたいな本が一冊出ます

もう一冊が、ここの会場の水タバコ屋さんがやってる出版社から出るメッセージ本です。タイトルは「バカ、アホ、ドジ、マヌケ」みたいな本です。

ぼく、もうわかってると思うけど、すごいダメな人間でして、中二から学校行かずに引きこもって、18まで家の中で過ごしていて、就職して無断欠勤でクビになって、を繰り返していました。普通にまともな社会人としての生活送れないんだ、だったら自分でやるしかないんだ、という感じでペパボを作った。で、たまたまうまくいって、こうしてみなさんの前で話すような感じになりました。

でもホントに基本はダメな人間で、嫌なことがあったら逃げるし。あぁ、実はこのイベントも前回ブッチしてます。主催者のみなさんごめんなさい…。

殴られるんじゃないかと思って主催の方からのメールを無視しつづけてました。殴られるのはホントに嫌じゃないですか。ぼくは嫌な気分になると、メールを、目をつぶって、全部消してしまうんです。消すと、すごい爽やかな気持ちになるんだよね。本当に重要なメールだったらもう一度送るだろう、という感じで…。


みなさん、死なないでください

家入さん:ぼくはすぐ死にたくなるので、いかに死なないように生きるかを考えないといけないと思うんですよ。データでも出てるけど、日本の自殺は月曜日が多いんですよ。やっぱ、週初めの嫌な気分で、そのまま死んじゃうんだと思う。でも、朝からビールを飲むと、すべてどうでも良くなるんですよね。これは自殺者を減らせるんじゃないかと思っている。みんなビール飲めばいいんじゃないかな。

…あ、もう終わり?そんなわけで、朝からビールを飲みましょう。嫌なことは死にたくなるからしなきゃいいと思います。みなさん、死なないでください。

————


後半の対談はぼくが登壇していたので書き起こしできず。酔っぱらってたのでもはや何を話したか忘れましたが、宗教について、善悪について、自由について、コンプレックスについて、家入さんの他己紹介などなど、幅広いテーマを語らいました。あぁ、宗教法人を作っちゃえばいいんじゃない?という話にもなりました笑 まだまだお聞きしたい話があるので、また対談できる機会があるといいなぁ。


話の中で出てきている新刊、すでにAmazonで予約が始まってますね。よりみちパン!セシリーズはどの本も良い感じの編集なので、仕上がりが楽しみです。良いところから出すなぁ。


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