・沢幅の狭いところは水量と速度が速いので適さない、ただ飛び石が上手くあることがある。一般には広いところの方が良い。
・同じ深さなら緩やかなところ、瀞の出口等。腰より下が目安、リーダーはメンバーの身長も考えること。。
・白い泡の所は以外と浅いことがある。石を掴んで渡ることもある。しかし流速の変化や底の不整が甚だしい。
実習1 渡渉に良さそうなところを各自選び、意見交換した後、実際に渡る。場所による違いを実感する。
・身体は上流を向いて、若干川下方向に。すり足で川底を探るように。
・ヘルメットは外した方が良い。
・杖があれば(流木でも)上流に差して進む。
・肩を組んで2人から4人。腕、肩、ザックのウエストベルトをつかむ。1人が動くときは他方の人は止まっていること。
・渡渉は格闘技である。絶対水に負けないつもりで、でも恐ければ申し出る事。
実習2 1人づつザックを背負ったままで渡る。杖があれば試してみる。
実習3 2人ペアで渡る。上流に向かって正対する方法と、さらに肩を組んでカニの横這い方式の比較をする。どの方法が良いか検討する。
実習4 3〜4人で渡る。V字状にして真ん中に弱者(通常女性)を入れる。
・ザイルの末端をハーネスにつないで上流に引っ張られると立ち上がれなり致命的になる。確保は岸に引き寄せることをポイントとする。失敗したら流してしまう、と言われている。
・トップの確保は下流から行う。決して上流からのみやらないこと。トップが流されたらすばやくザイルを引き寄せる。自分より下流にトップを流してはいけない。
・2人以上の確保者がいれば上流と下流の両方で確保する。流された場合は2人で岸に引き寄せる。上流の確保者は徐々にザイルを流すこと。
・上流に支点を取り、振り子懸垂式に行うと安定感が増す。渡渉者はカラビナ通しにし、ザイルを頼りに渡る。支点はなるべく上流遠くが良い。末端はザックを結んでおき、下流にいる確保者よりさらに下流に流されたときはザックを放り込む。
・セカンドはザイルをフィクスしてシュリンゲでザイルにカラビナでつなぐ。確保ザイルを流星法のように結ぶ。水流が緩ければザックピストンにしても良い。
沢が狭い場合はフィクスザイルをダブルにしてラストも使えるようにする。またフィクスザイルは水に浸けないよう高く張る。
・ラストはトップと同じになる。フィクスザイルをダブルにして使えれば楽になる。
実習4 トップの確保を次のようにする。
1)1人で確保し、確保者は下流で肩がらみで確保し、流されたら岸に引き寄せる。
2)2人で上流と下流から確保し、引き寄せる実験をする。
2)振り子懸垂式の実験をする。
実習5 セカンド以降の確保を実験する。一度セカンドは足を滑らせてみる。
実習6 ライフジャケットの効果、ウエストでなくシュリンゲで胸の辺りでザイルと結ぶ効果の実験をする。
実習7 末端交換三角法の実験をする。
一般的な注意
1)危険なので特にザイル確保の時は十分注意して渡渉する。
2)トップの人はライフジャケットを付ける。
3)ザイルに結び目を付けたままで流れに流さないこと。岩に絡むことがある。
4)ザックの防水対策を確実にしておくこと。
5)メガネ、コンタクトレンズを流さないように注意すること。
末端交換三角法 三角法をベースにしてラストも三角法で渡渉するための方法
渓流97夏号より