安倍首相:原発事故対応に「世界中から先進的な知見必要」
毎日新聞 2013年10月06日 19時35分(最終更新 10月06日 19時54分)
安倍晋三首相は6日、京都市の国立京都国際会館で開かれている科学技術に関する国際会議であいさつした。東京電力福島第1原発事故に触れ「課題への対処のため、世界中から最も先進的な知見を吸収しなくてはならない」と強調。汚染水問題などを念頭に「打ち続く問題の取り組みに専門の知識を必要としている」と述べ、世界各国の科学者に協力を要請した。
さらに首相は、原発事故を「我が国が学ばざるを得なかった苦い教訓」と指摘し、科学技術を社会に生かす必要性を「これ以上ない厳しさとともに学んできた」と強調した。
一方、地球温暖化対策については、日本の技術力の高さをアピールし、今後5年で官民合わせて技術開発に1100億ドルを投じる計画を説明。「開発した技術は海外、とりわけ途上国に普及しなくてはならない」と語り、地球規模での温室効果ガス削減に取り組む姿勢を示した。
さらに来年から新たに、温室効果ガスの削減に関する技術革新に焦点を当てた会議を政府主催で開催する意向を表明した。
また、技術革新のために規制改革が必要との認識を示し、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った再生医療を後押しするための関連法案の早期成立を目指す考えを示した。【水脇友輔】