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SPECIAL NOVEL
はあ? なんだよ『東京レイヴンズ』って。小説? なもん、読まねえよ……え、なに? 今度アニメになるのか? へえ。
ちなみにどんな話だ? ……あア? 陰陽師の話だあ? ケッ。なんでえ。興味ねえな。
陰陽師って、あれだろ? 昔の、着物とか着た貴族だろ? お上品なのは趣味じゃねえんだよ。
なに? バトルありだ? ふーん……つってもなあ。拳と拳でガチにやり合うとか、そういうんじゃねえんだろ? おまじないでバトルとか、すげえ地味っぽいじゃねえか。……式神? なんだそれ? 知らねえよ。
だいたい、陰陽師の話なのに、なんで「レイヴンズ」とかカタカナ付いてんだよ。ヘイアン時代とかの話じゃねえのかよ。……ん、ああ、舞台は現代なのか? にしても、陰陽師なのにカタカナって、なんか変だろ? つか、そもそもレイヴンズってどういう意味だよ。そこから説明してもらわねえと……。
え? カラス? 大ガラスのこと?
……ほう。
そうなのか。格好いいカラスの……。
……なんだ! それならそうと、早く言えよっ。カラスか。カラスね。イイじゃん。悪くねえじゃん?
ぶっちゃけカッケーよな、カラス? 全身黒くて、スマートでよ。何より、不吉の象徴みてーなのが、かえってこう、くすぐるっつーかよ。
ん? つまり、その話ん中じゃ、陰陽師のことを「レイヴン」って読んでるわけか? カラスに喩えて?
……はは~ん。
さては……真似しやがったな?
ったくよぉ。いくら格好いいからって……ま、仕方ねえな。クールなネーミングってのは誰しも、真似したくなるもんだしな。憧れってやつ?
改めて聞くと、レイヴンズって響きも悪くねえ。それに、ただのカラスじゃなくて、大ガラスってとこもヒネリが効いてらあ。
まっ、そうは言っても格好良さでいやあ、ヤタガラスにゃあ敵わねえけどな! なんたってこっちは、神話に出てくるカラスの王様だぜ!
あ、つか、ひょっとしてレイヴンズって、ヤタガラスの手下とか部下みてえな立ち位置なんじゃね? ったく、なんだよ。そうと知ってりゃ……へへ!
ちなみに、出てくるのはどんな奴らなんだよ?
主人公は……熱血馬鹿? お、悪くねえな。嫌いじゃないぜ、そういうの。やっぱ主人公ってのは、スカシた野郎より熱いオトコでねえと! どっかの、陰気で眼鏡でふて腐れたサルより、強くて仲間思いで熱いカラスの方が、主人公には相応しいってもんよ!
ヒロインは……お、おい、ちょっと可愛いじゃねえかっ。なんかいかにもヤマトナデシコっぽいじゃねえかっ。……ん? でも、なんだ? 普段は男装してるのか? 変な女……ま、まあ、そういうのもアリか。草薙さんだって、酔った勢いで女装してたしな。
で、このヘアバンドは……主人公の悪友? へえ。元ヤンキーか。だったら話、合いそうだな。で、クールなくせに、ダチ思い? いいじゃねえか。いよいよ話が合いそうだ。
差し当たり、こいつらがメインになるわけか。他にも、腕利きの陰陽師がいっぱい出てきて……『十二神将』!? なんだそれ? えれえ格好いい名前じゃねえか! そいつらも戦ったりするのか? しかも超強いだと? いいねいいね。そうこなくっちゃ。面白そうじゃねえか。
それで、主人公やそいつらも、全部陰陽師だから「レイヴンズ」なわけか。つまり、ヤタガラスの子分ってことだな。うん。
やれやれ。しょーがねえなあ。えー、なんつったけ?
『東京レイヴンズ』?
『東京レイヴンズ』だな?
よしよし。今度アニメになるんだったよな。え、もう来週からなのか? 10月8日の、深夜24時30分からスタート?
火曜深夜の『東京レイヴンズ』、ね。オッケー、覚えといてやるよ!
©あざの耕平・すみ兵/株式会社KADOKAWA 富士見書房/東京レイヴンズ製作委員会
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イラスト:月ヶ瀬ゆりの
10月25日配信の電子書籍雑誌「ミルフィ vol.1」より、『東京レイヴンズ Another×holiday』連載開始。