日本経済新聞

10月6日(日曜日)

日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
  • ヘルプ

コンテンツ一覧

クローズアップ

大阪人はなぜ白菜好きなのか? 購入額トップ独走
カレーの付け合わせにも

(2/2ページ)
2013/10/6 6:30
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
保存
印刷
リプリント
共有

 「家族が集まると何を食べるか」についてエバラ食品工業が今年1月、20~60代の女性に行った調査でも、関西では77.6%が「鍋料理」と回答。全国平均の66.8%を上回った。

画像の拡大

■量の割に安い、大阪の節約志向にマッチ

 フードコーディネーターの山本美和さんは「1つの鍋を皆でつつく鍋文化は、主に明治以降に広まったようです。しゃぶしゃぶ、てっちり、うどんすきや魚すきは、いずれも大阪発祥とされています」と話す。

 背景にあるのが「食い倒れ」気質を支えた豊かな食材だ。北海道から北前船で運ばれた良質の昆布、だしが取りやすい軟水、瀬戸内や近郷で産する魚や青物。しかし、いささか地味な白菜が鍋の主役を務めるようになったのはなぜか。

 「量がある割に値段が安く、栄養価も高い。芯も葉も全部食べられるので、5人家族でも1株で十分足りる。大阪の『節約志向』にマッチしたのでしょう」。老舗料理学校、ロイヤルクイーン料理教室(大阪市)の稲岡友美・管理栄養士が自説を披露してくれた。

■在日韓国・朝鮮人のキムチ作りも要因

 実はもう一つ、大阪の消費量を押し上げる要因があるという。「在日韓国・朝鮮人の家庭が、キムチを漬けるために大量に購入します」と指摘するのは大手スーパーのイズミヤ。「冬季に白菜を6、7箱、まとめ買いをする人が大阪では珍しくない」という。

 大阪府には全国の韓国・朝鮮籍を持つ在留外国人の2割強、約12万人が住む。駐大阪韓国文化院が「韓国では10~11月、家族総出で1年分のキムチを漬けます。1世帯が使う白菜は30~50個ほど。こうした慣習を日本でも守っているのでしょう」と教えてくれた。

 こうした背景があるためか、他地域ではあまり白菜を使わない料理に、関西では入れることも多い。ラーメンのほか、キャベツ代わりに白菜を加えるお好み焼き店もあるという。白菜は大阪の食文化を支える「縁の下の力持ち」といえそうだ。

(大阪社会部 大西康平)

[日本経済新聞大阪夕刊いまドキ関西2013年10月2日付]

関西のナゾ 食べ物編 きつねそば、なぜ大阪にない?

日本経済新聞 編
税込価格:500円

節分に恵方巻き丸かじりの理由、緑のおはぎの不思議――。関西の食べ物を巡るナゾに迫る。

出張グルメの達人~札幌 すし・ラーメン編

日本経済新聞社 札幌支社編集部 著
税込価格:500円

札幌を代表する食文化である「すし」「ラーメン」を現地記者が総力をあげて取材。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 次へ
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
保存
印刷
リプリント
共有
関連キーワード

白菜、大果大阪青果、エバラ食品工業、イトーヨーカ堂、イズミヤ

大阪人・関西人が好きな食べ物は…

白菜をおいしく食べよう

【PR】

【PR】

クローズアップ 一覧

鍋の彩りに欠かせない白菜(大阪市西成区のデイリーカナートイズミヤ)

大阪人はなぜ白菜好きなのか? 購入額トップ独走

 昼食のため立ち寄った大阪市内のカレー店。付け合わせが福神漬けではなく白菜のピクルスだった。そういえば昨日食べたラーメンも白菜入り。気になって調べてみると関西、特に大阪は白菜の消費が全国トップだと分か…続き (10/6)

宝塚音楽学校の受験に向けレッスンを受ける生徒(兵庫県宝塚市のスタジオ・トップハット)

競争率20倍 タカラジェンヌになる秘訣ってあるの?

 来年、創立100周年を迎える宝塚歌劇団。タカラジェンヌが華麗なステージで夢の世界へいざなう。舞台に立つ方法はただ一つ、宝塚音楽学校(兵庫県宝塚市)を卒業するしかない。入試倍率は約20倍の難関だ。合格…続き (9/29)

大阪市中央卸売市場では年間を通じ取引されている

京野菜の水菜、いつから全国区 今や茨城が出荷1位

 夏休みで訪れた沖縄で食事をしたところ、京都のおばんざいでおなじみの水菜が料理に添えられていた。「京野菜なのに沖縄でも食べられるの?」。そういえば最近は季節を問わずにスーパーに並んでいる。調べてみると…続き (9/23)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

日経ウーマノミクス・プロジェクト

モバイルやメール等で電子版を、より快適に!

各種サービスの説明をご覧ください。

TwitterやFacebookでも日経電子版をご活用ください。

[PR]

【PR】

ページの先頭へ

日本経済新聞 電子版について

日本経済新聞社について