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米大統領 TPP会合を欠席へ
10月4日 12時34分

米大統領 TPP会合を欠席へ
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アメリカのオバマ大統領は、与野党の対立から予算が成立せず政府機関の一部閉鎖が続いていることを受けて、来週始めから予定していたインドネシアとブルネイへの訪問を見合わせ、みずからが議長を務める予定だったTPP=環太平洋パートナーシップ協定の首脳会合などへの出席を取りやめることになりました。

これはホワイトハウスが3日、声明で発表したものです。
それによりますと、オバマ大統領は、今月7日からインドネシアのバリ島を訪れ、APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席し、併せて開かれる8日のTPPの首脳会合では議長を務める予定だったほか、そのあとブルネイでの東アジアサミットに参加することになっていました。
しかし、アメリカで、与野党の対立から当面の行政活動に必要な予算が成立せず、政府機関の一部閉鎖が続いていることを受けて、オバマ大統領がインドネシアとブルネイの首脳にそれぞれ電話し、両国への訪問を見合わることを伝えたと言うことです。
オバマ大統領は、これに続いてマレーシアとフィリピンも歴訪する予定でしたが、すでに両国への訪問を見合わせることを決めています。
TPPを巡っては、各国が今回の首脳会合で大筋合意をしたうえで年内の妥結を目指していますが、オバマ大統領が首脳会合を欠席することで、交渉を主導しているアメリカの指導力を懸念する声が出ることも予想されます。
これについてホワイトハウスは「下院で多数を占める共和党が政府機関を閉鎖したせいだ」として野党・共和党を強く批判しました。

甘利大臣「交渉に影響出ないように」

インドネシアで開かれているTPP閣僚会合に出席している甘利経済再生担当大臣は、記者団に対し、「オバマ大統領は、何とか都合をつけて出席すると期待していたが、アメリカ側から欠席するという説明があり、参加各国とも驚いていた」と述べました。
そのうえで甘利大臣は「閣僚会合では、TPP交渉の年内妥結に向けて、前進する勢いを維持していくことを確認した。担当閣僚は、いかなる状態でも使命を果たしていくべきであり、交渉に影響が出ないようにしたい」と述べ、予定どおり今月8日の首脳会合での大筋合意と、年内の交渉妥結を目指す考えを示しました。

「米の仕切りしだい」

また、TPP閣僚会合のためインドネシアを訪れている日本政府の交渉担当者は「今まさに参加各国の担当閣僚が具体的な議論をしている中で、交渉の『年内妥結』という勢いが維持できるかどうかは、アメリカがどう仕切るかにかかっている」と述べました。

アメリカにとって重要な節目

TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉を主導しているアメリカは、インドネシアで開かれるTPPの一連の会合を、年内の交渉妥結に道筋をつける重要な節目と位置づけています。
アジア太平洋地域にアメリカ主導の貿易や投資のルールを広げるTPPは、2期目のオバマ政権にとって重要な政策課題で、参加12か国の中で交渉加速に最も強い意欲を示してきました。
TPPを巡って農産物などの関税撤廃や特許の保護のためのルールづくりなどで交渉が難航するなか、アメリカとしては、今回の一連の会合で打開策を協議したうえで、首脳会合でオバマ大統領が議長を務め、協定の「大筋合意」を打ち出すことを目指していました。
しかし、与野党の対立で予算が成立せず、政府機関の一部閉鎖が続いている問題などへの対応に当たるため、オバマ大統領がTPPの首脳会合への出席を取りやめたことが、交渉全体の行方に影響するのは避けられないという見方も出ており、参加各国からアメリカの指導力に対する懸念が強まるほか、アメリカの通商戦略にとってもマイナスとなることが予想されます。

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