「引き揚げ」伝え25年 舞鶴記念館で平和祈念式典
京都府舞鶴市平の舞鶴引揚記念館で5日、開館25周年と市制施行70周年にあわせた平和祈念式典が開かれた。参加者約150人は苦難の歴史に思いをはせ、次世代へ語り継ぐ決意を新たにしていた。
終戦後に旧満州やシベリアに取り残された日本人のうち、舞鶴では1958年にかけて約66万人と約1万6千柱の遺骨を迎え入れた。同館は88年4月に開館し、厳しい抑留生活を伝える防寒具や手記などの資料を展示。これまでに約366万人が来館し、昨年からはユネスコの「世界記憶遺産」への収蔵品登録を目指している。
式典では、引き揚げ船「興安丸」の時鐘の音に合わせて黙とうをささげた後、多々見良三舞鶴市長や地元の小中学生らがメッセージを述べた。若浦中3年の木田明里さん(14)は「(同館は)地域の象徴で、戦争の悲惨さを教えてくれた。引き揚げの歴史を心に刻み、責任を持って継承していく」と誓っていた。
その後、参加者は敷地内にソメイヨシノ3本を記念植樹したほか、ふかしいもなど当時の食事を再現した試食会も開かれた。
【 2013年10月06日 09時19分 】