シリア化学兵器問題:米露 ノルウェーに廃棄処理要請
毎日新聞 2013年10月06日 00時47分(最終更新 10月06日 00時51分)
【ブリュッセル斎藤義彦】ノルウェー公共放送は5日、米露が先月、ノルウェーに対し、シリアの化学兵器の廃棄作業を行うよう要請したと伝えた。米露はシリアの化学兵器の廃棄を同国内で行うとともに国外への撤去も同時に検討しており、処理先を探している模様だ。ただノルウェーには処理施設はなく、長距離の移送は事故やテロの危険も伴うため、廃棄が実現するかは不透明だ。
同放送によると、米露は先月ニューヨークで開かれた国連総会を機にノルウェーに廃棄を要請したという。同国が政治的に安定し、財政的にも余力があるのが理由とみられる。
ノルウェーは先月、総選挙が終了し少数与党の政府が今月中旬に樹立される見通しで、現時点では米露の要請の可否は判断できない状況だ。化学兵器処理施設は建設すれば数年はかかる見通し。また1000トンと推定される化学兵器の処理にはさらに数年かかる。