日本国憲法:名画で学ぶ…大阪の法律事務所が無料勉強会

毎日新聞 2013年10月05日 15時40分

憲法の条文に込められた意味などをイメージして描いた絵を披露しながら、憲法について話す画家の弓手研平さん(左)=大阪市北区で、宮武祐希撮影
憲法の条文に込められた意味などをイメージして描いた絵を披露しながら、憲法について話す画家の弓手研平さん(左)=大阪市北区で、宮武祐希撮影

 名画を眺めながら憲法の心を探ってみませんか?−−。日本国憲法の条文の意味や背景をイメージして描いた絵画を鑑賞しながら、憲法について学ぶ無料の勉強会が人気だ。主催は大阪の法律事務所で、「憲法改正論議が進む中、改正に賛成の人も反対の人も、まずは憲法について深く知ってほしい」と願いを込める。

 ◇奈良の画家、1条ごとに思い込め

 「憲法トーク」という催しで、大阪市北区のエートス法律事務所(吉井昭所長)が、入居するビル1階の1室(約100平方メートル)で8月から毎月1回続けている。奈良県の画家、弓手(ゆんで)研平さん(43)が憲法の条文を素材に1条につき1枚ずつ描いた絵を披露し、一緒に学ぶ。

 14条。「すべて国民は、法の下(もと)に平等であって、人種、信条、性別……により、政治的、経済的又(また)は社会的関係において、差別されない」。農村に雪が降りしきる絵を皆で眺めながら、事務所の弁護士が条文を読み、「選挙の1票の格差訴訟もこの条文を根拠としています」などと手短に解説する。

 続いて弓手さんが絵に込めた思いを語る。「生活の中で差別はたくさんある。しかし、この絵の中で雪はここにもあそこにも平等に降っている。平等とは美しい考え方です」

 毎月1回(90分)、10カ条ずつ学ぶ。仕事帰りに参加した大阪府豊中市の会社員、野口博士さん(47)は「憲法をじっくり読んだのは小学生以来。今後、憲法のことを具体的に考えていきたい」。兵庫県西宮市の主婦、林えみ子さん(62)は「説明も分かりやすく、絵を鑑賞しながら学ぶので、時間が短く感じた」と話した。口コミで聴講者は毎回増え、10月4日は約50人が会場を埋めた。

 弓手さんは1997年に「巨匠への第一歩」と言われる日動美術財団賞(昭和会展)、2009年に損保ジャパン美術賞、今年は文部科学大臣賞(一水会展)を受賞した。農耕風景などを多く手がける。作風に感銘した吉井弁護士が「憲法の心を描いてほしい」と依頼し、06年から5年間かけて110枚を描きあげた。素朴な農村の残るブータンにも出向き、作品の参考にした。

 同法律事務所は会場に使っている部屋を「エートス・ステーション」と名付けて市民に無償で提供しており、さまざまな団体が交流会などを開いている。問い合わせは同事務所(電話06・6365・1728)。【岩崎日出雄】

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