絶頂期の感覚を取り戻しつつある。フリーで使用するラフマニノフの『ピアノ協奏曲第2番』が流れる中、真央はまず氷の感触を確認した。曲が終わるとトリプルアクセルを跳び始め、2度も成功。自然と笑みがこぼれた。
「いまの状態は普通だと思う。自分でも期待している」
昨季はシーズン後半に行われた2月の四大陸選手権(大阪)で満を持してトリプルアクセルを解禁。今季は8、9月を練習期間にあて、周囲の喧噪(けんそう)を逃れて精度を高めてきた。
9月25日に23歳の誕生日を迎えた。「特に変わったことはない。いいシーズンになるようがんばりたい」。最大のライバル金妍児(キム・ヨナ、韓国)は練習中に右足を負傷し、グランプリ(GP)シリーズを欠場。宿敵がいぬ間に、ロケットスタートを狙う。(江坂勇始)
(紙面から)