韓国挺身隊訴訟:原告女性らに初の本人尋問
毎日新聞 2013年10月06日 00時15分(最終更新 10月06日 00時58分)
【光州(韓国南西部)で大貫智子】日本の植民地時代に女子勤労挺身(ていしん)隊として名古屋市の軍需工場に動員された韓国人女性らが三菱重工業に未払い賃金や慰謝料の支払いを求めた訴訟は4日、光州地裁で原告女性らの本人尋問が行われた。支援団体によると、韓国での訴訟で元挺身隊の女性が証言するのは初めてで、早期解決を訴えた。この日で結審し、来月1日に判決が言い渡される。
証言したのは梁錦徳(ヤン・クムドク)さん(82)ら。梁さんによると「日本に行けば金を稼げる」などと聞かされ、渡航を決断。しかし、工場では飛行機部品の製造などの重労働を強いられ、賃金も受け取れなかったという。
また戦後、韓国社会で従軍慰安婦と間違われ、精神的苦痛を受けたと主張。「一日も早く謝罪してほしい」と訴えた。
梁さんらは以前、日本で同種の訴訟を起こしたが、1965年の日韓請求権協定により、個人請求権は消滅しているとして敗訴が確定。しかし、韓国で別の元徴用工が同社などを訴えた訴訟で、韓国最高裁が昨年5月に個人請求権を認める判断を示し、審理を高裁に差し戻した。これを受け、梁さんらが改めて韓国で提訴した。