スポーツ報知 10月6日(日)7時4分配信
◆フィギュア ジャパン・オープン(5日・さいたまスーパーアリーナ) フリーの合計得点で争う日本、北米、欧州の地域対抗団体戦を行い、今季初戦となる女子の浅田真央(23)=中京大=は大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決め、フリーの自己最高点を超える135・16点をマークした。フリーのみを滑るオープン大会のため公認記録にならないが、“自己ベスト”でソチ五輪シーズンの好スタートを切った。日本は合計544・85点で2年連続6度目の優勝を飾った。
ピアノの鍵盤をたたくような力強い音色に押され、集大成のシーズンが幕を開けた。真央が体を反らせてフィニッシュすると、観衆1万5523人は総立ちで拍手。銅メダルを獲得した3月の世界選手権(カナダ)で出した134・37点のフリー自己ベストを上回り、真央は驚いたように笑った。
「初戦なので始まる前は『できないかな?』とか、『できるかな?』という感じだったが、練習してきたことはまずまず出せた。いい得点を出せて次につながる」。近年は不完全燃焼が続いていたシーズン初戦での“自己ベスト発進”に手応えを口にした。
ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」に乗って、冒頭で3回転半に挑戦した。着氷が乱れて出来栄えはマイナス評価。それでも、昨季前半は封印した大技をいきなり決めた。次に予定した2連続3回転は2つ目のジャンプが2回転に。後半は3回転サルコーが回転不足になったが、3―2―2回転の3連続ジャンプなどを成功させた。
「自分が大丈夫かな?と思っているジャンプは失敗した」。自信のなさがミスにつながったが、転倒はなし。「課題にしていたスピンやステップのレベルが取れてよかった」。ジャンプ以外の要素でレベル4の最高評価を受け、ジャンプの減点をカバー。非公認ながら、昨季の世界選手権で出したフリーの自己ベスト134・37点を上回った。
前コーチのタチアナ・タラソワ氏が手がけた振り付けは、人生の喜びや悲しみを表現。高速ターンを入れたステップは圧巻で、表現力を示す5項目の演技構成点は10点満点中8点台の高得点をそろえた。濃い青の衣装もタラソワ氏が用意した勝負服。「体の中心からパワーが出るような衣装」と好演技を後押しした。
佐藤信夫コーチは「朝の練習ではもっとよかったが、本番は問題が出た。方向性は間違っていないので、このまま頑張らせたい」と話した。次戦は18日から始まるスケートアメリカ。「まだまだ伸びしろがある。向上目指して頑張りたい」。23歳になった真央がさらなる高みに突き進む。
◆今季の真央の出場予定大会
▽18〜20日 スケートアメリカ(米デトロイト)
▽11月8〜10日 NHK杯(東京・国立代々木競技場)
▼12月5〜8日 GPファイナル(福岡・マリンメッセ)
▽12月21〜24日 ソチ五輪選考会全日本選手権(さいたまスーパーアリーナ)=3位以内で五輪出場決定=
▼14年1月20〜26日 四大陸選手権(台北)
▼2月7日開幕 ソチ五輪
▼3月24〜30日 世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)
【注】▼の試合は出場権を得た場合に出場
◆ジャパン・オープン プロ、アマ混成で06年から毎年開催され、フリー演技で競う団体戦。国際連盟(ISU)の公認大会だが、記録は認定されない。理由はプロ・アマ混成のオープン大会であることと、記録認定にはフリー演技だけでなくショートプログラムも実施しなければならないから。
最終更新:10月6日(日)7時33分
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