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東電、10議員を「厚遇」 パーティー券を多額購入

2012年1月8日5時0分

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 東京電力が電力業界での重要度を査定し、自民、民主各党などで上位にランク付けしてパーティー券を購入していた計10人の国会議員が判明した。電力会社を所管する経済産業省の大臣経験者や党実力者を重視し、議員秘書らの購入依頼に応じていた。1回あたりの購入額を、政治資金収支報告書に記載義務がない20万円以下に抑えて表面化しないようにしていた。

 また、東電の関連企業数十社が、東電の紹介などにより、多数の議員のパーティー券を購入していたことも判明した。

 複数の東電幹部によると、東電は、電力業界から見た議員の重要度や貢献度を査定し、購入額を決める際の目安としていた。2010年までの数年間の上位ランクは、いずれも衆院議員で、自民では麻生太郎、甘利明、大島理森、石破茂、石原伸晃の5氏、元自民では与謝野馨(無所属)、平沼赳夫(たちあがれ日本)の2氏。民主では仙谷由人、枝野幸男、小沢一郎の3氏だった。

 東電総務部が窓口役となって、毎年、東電の営業管内や原発立地・建設中の都県などの100人近い国会議員の関連団体が開くパーティーや勉強会に対し、各秘書からの要請に応じて計5千万円以上購入。査定が低く、1回のみの購入の議員が多い中、09年までの政権党として関係が深い自民の5人と元自民の2人については、1回あたり20万円以下の券を年間で数回購入したことがあった。一部の議員分は、関連企業も購入していたという。

 東電総務部による過去数年間の査定では、麻生氏と、電力会社を所管する旧通商産業相経験者の与謝野氏は「電力業界の長年のよき理解者」として重視。甘利氏は、電力などエネルギー政策全般の基本計画の策定を国に義務づけた「エネルギー政策基本法」の成立(02年)に尽力し、その後も経産相を務めたことなどを評価していた。

 また、大島氏は、原子力施設が立地・建設中の青森県の選出議員、平沼氏は通産相経験者、石破、石原両氏は「現在の党実力者」として重視していた。

 一方、電力系労組が支援する民主議員について、東電の会社側は距離を置いていたが、「党実力者」として評価する議員に限り、表面化しない20万円以下の金額でパーティー券を購入していた。なかでも仙谷、枝野、小沢各氏については、党内への影響力などを考慮し、他の議員より金額を多めにしていたという。

 東電は1974年以降、「電力供給の地域独占が認められた公益企業にそぐわない」と企業献金を自粛する一方で、国会議員のパーティー券購入に多額の資金を投入していた。

 東電広報部は「具体的な購入内容については回答を控える」としている。

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