(セ・リーグ、阪神4-3巨人、最終戦、巨人12勝11敗1分、5日、甲子園)大好きな桧山さんを白星で送り出す-。後輩たちの思いは1つだった。絶対に勝つ。虎の執念がG倒に結びついた。神様がベンチに退いた後に神懸かり的な逆転劇。上本が奇跡を起こした。
「たまたまです。まさかです。勝ってよかった」
八回だ。先頭・新井良が中前打で出塁すると、続く日高の平凡なゴロを三塁手・立岡が二塁へ送球ミス。代打・新井は右飛に倒れたが、一死一、三塁から上本がセンターバックスクリーンに運んだ。1メートル73の小兵が秘めたパンチ力を見せ、起死回生の一撃。静まりかえっていた聖地が活気を取り戻した。
さらに攻撃は続いた。俊介、鳥谷が連続四球で好機を再度作ると、マートンの三ゴロの処理をまたも立岡がもたつき、二死二、三塁から柴田が放った二ゴロを、今度は藤村が適時失策を犯し、4点目。試合をひっくり返した。