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みずほ銀行―もう「次」はない覚悟を

過去の教訓を生かせず、似たような問題を引き起こす。なのに対応への腰が重く、それが問題をさらにこじらせる――。みずほ銀行が、暴力団組員らへの230件、計2億円の融資を知り[記事全文]

選挙権の制限―一票の重み再考しよう

選挙で一票を投じる。その権利の重みをどう考えるべきか。新たな司法判断が示された。選挙権を失うのはどんな場合か。公職選挙法11条は、禁錮刑以上が確定した受刑者をその一つに[記事全文]

みずほ銀行―もう「次」はない覚悟を

 過去の教訓を生かせず、似たような問題を引き起こす。なのに対応への腰が重く、それが問題をさらにこじらせる――。

 みずほ銀行が、暴力団組員らへの230件、計2億円の融資を知りながら2年も放置していたとして、金融庁の業務改善命令を受けた。

 前身のひとつ、旧第一勧業銀行で97年に発覚した総会屋事件では、トップが隠蔽(いんぺい)を主導した構図が暴かれ、元会長が自殺し、大量の逮捕者を出した。そんな重い教訓がありながら、あきれるほかない。

 みずほ銀は大規模なシステム障害も2度繰り返している。いずれも初動の対応を誤り、被害がどんどん拡大した。

 今回、みずほは金融庁の処分を受けた後も、社会に対し詳しい説明を避け続けた。世の批判を浴び、取引を見合わせる顧客も出始め、1週間もたって謝罪会見に追い込まれたが、融資の実態などはほとんど明らかにしなかった。問題が多すぎる。

 処分の対象は、グループの信販会社を介した自動車購入などのためのローンだ。審査を信販会社に丸投げしていたことで、借り手が反社会的勢力と知らないまま貸した。

 後で銀行側が点検して気づいたが、「すでに商品が売られている」などの理由で融資を解消しなかった。報告は法令順守の役員で留め置かれ、経営トップには届かなかったという。

 こうした問題そのものの再発防止はそう難しくないだろう。信販会社の審査を、暴力団の情報が備わっている銀行のシステムと一体化するなど提携ローンの欠陥を改める。もし融資してしまったら、早急に契約解消に動く仕組みを整える。

 要するに、暴力団との関係を水際で徹底して絶つ覚悟があるのかどうかの問題だ。

 首をかしげたくなるのは、金融庁が問題を指摘した昨年暮れから処分までの間に、みずほに実効ある対策への動きが見られなかったことだ。

 本来なら、経営陣が危機感を共有し、必要な防止策を講じて自主的に公表するのが筋だ。

 そうならなかった背景には、三つの大手銀行が対等の立場で統合・合併したことから来る縦割り意識がある、というのが衆目の一致するところである。

 担当した役員や部門の責任をどう問うか、さまざまな思惑が働いたのではないか。

 度重なる失態を、みずほは徹底的に総括する必要がある。経営陣は、顧客の信頼を維持する瀬戸際にあるという自覚を持ってもらいたい。

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選挙権の制限―一票の重み再考しよう

 選挙で一票を投じる。その権利の重みをどう考えるべきか。新たな司法判断が示された。

 選挙権を失うのはどんな場合か。公職選挙法11条は、禁錮刑以上が確定した受刑者をその一つに挙げている。これが憲法に反するかが争われた訴訟で、大阪高裁は違憲と結論づけた。

 よりどころは、海外に住む人の選挙権への制限を違憲とした05年の最高裁判決だ。

 この判決は、選挙権は「国政参加の機会を保障する基本的権利で、議会制民主主義の根幹」と明言した。憲法は投票機会の平等を保障しているとし、制限は「やむを得ない」理由がある場合だけ許されるとした。

 大阪高裁はこの基準に照らして、受刑者の選挙権を一律に奪うのは「やむを得ない」制限とはいえないとした。

 知的障害者らが成年後見人を立てると選挙権が失われるとしていた公選法の条文も、東京地裁が3月、同じ基準から違憲と判断した。「選挙権は権利。制限は最小限に」が、司法からの共通メッセージといえる。

 受刑者から選挙権を奪う条文は、1890(明治23)年の第1回衆院選以来ずっとある。

 国側は裁判で、その理由について「受刑者は法を守る意識に欠け、正しく選挙権を使うことを期待できない」と主張した。

 刑務所に収容する刑は身体の自由を奪う。「だから投票できないのも当然」と思ってきた人も多いのではないか。

 だが高裁は、そうした発想に転換を求めたといえる。

 多くの税金を納めた男性しか選挙に参加できなかった明治以来、選挙権は「国が国民に認めるもの」という考えが日本には根強くあるように見える。

 成年被後見人はその典型だった。国は「選挙で公正な判断はできない」と決めつけ、一方的に権利を奪ってきた。

 再三の違憲判決にもかかわらず、一票の格差をただそうとしない国会も、どこまで権利の重みを理解しているのか。

 選挙権は国民が平等に持つ固有の権利。それを出発点に、制限を見直していくべきだ。

 刑には、更生を促すという側面もある。投票を通じて社会に関心を持つことは好影響を与えるとみる専門家もいる。

 ただ、成年被後見人や在外邦人と違い、一挙にすべての受刑者の選挙権を認めることは、国民から異論もありえよう。

 海外では罪名や量刑の重さで選挙権の有無を線引きしている国も多い。それらも参考にしつつ、「やむを得ない」制限とは何かの議論を深めたい。

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