事件JR北海道、運転士の薬物検査拒否 社内体質改善に消極的+(2/2ページ)(2013.10.5 01:30

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JR北海道、運転士の薬物検査拒否 社内体質改善に消極的

2013.10.5 01:30 (2/2ページ)鉄道事故・トラブル

 運輸局側は、こうした事例を念頭に提案の実現を迫ったが、JR北は人権問題などを理由に「できない」と拒否。運転士が入社前から薬物に手を染めていたとされることから、譲歩案として、採用段階での検査実施の検討も求めたがJR北は応じなかった。

 JR北では、約5年前に運転士らの職場にアルコール検知器を導入したが長らく自主検査扱いに。検査義務化実現は昨年7月と、JR東日本(16年8月)や、JR西日本(19年8月)などに比べ大幅に遅れた経緯もある。運輸局幹部は「最も効果のある方策を取り入れない姿勢は、社内体質改善に消極的といわざるを得ない」と話す。

 運輸局の提案拒否後、JR北は薬物乱用防止パンフレットの配布や全運転士の面談などを実施。JR北は「覚醒剤使用は犯罪行為であり、全運転士への検査以前に、社員一人一人に使用をさせないことを啓蒙(けいもう)することが、何よりも重要だと考えた」(広報部)と説明している。

 ■鉄道の安全に詳しい関西大の安部誠治教授(公益事業論)の話「薬物検査実施の拒否は、JR北海道の安全に対する意識の希薄さを物語っている。アルコール検知の義務化の遅れも同様だ。安全運行に向け運転士を適切に管理することを怠る、本社の不十分な対応が、現場の安全に対する感覚も鈍化させている。安全には何が足りないのか、もう一度社内で議論し、見直す必要がある」

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