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【グラニュース】


カリスマ監督激動の6年<下> 勝者のメンタリティー遺産に

2013年10月6日 紙面から

 退任発表を受けての湘南戦。試合前のストイコビッチ監督の動きはいつもと変わらなかった。開始3時間前、宿舎でのミーティングは通常通り10分程度で終わった。内容はメンバー、戦術の簡単な確認。「私はあと7試合しか指揮を執れないが、情熱は変わらない」と奮起を促した。

 他チームでは試合直前のミーティングに1時間割くケースも珍しくない。試合の前日、翌日もまたしかり。しかし、ピクシー政権下のグランパスでは必要最低限。遠征先から名古屋への帰りは自由行動となることも多く、ピクシーはグラウンド外での選手の拘束を極力避けた。

 チーム関係者は言う。「監督は長時間のミーティングが選手にストレスを与えるということを知っている。監督ほど選手に気を配っている人はなかなかいない」

 就任した2008年、ピクシーが久米GMとともにチームに要求したのが、練習後すぐに食事を取れるシステムの構築だった。練習は軽めのメニューに変更。GK高木は「コンディションを重視する、監督のやり方は新鮮だった」と言う。

 いかにして選手に試合で100%の力を出させるか。超一流プレーヤーでもあった指揮官はこのことに集中した。勝てない時期には宿舎で独り夜風にあたることもあったというが、人前では暗い表情を見せなかった。

 Jリーグ6年間で挙げてきた勝ち星は100勝。負け(57敗)を40以上も上回る。MF中村は「グランパスは勝たないといけない集団に変わった。以前とは意識が違う」。勝者のメンタリティーという得難い遺産を残し、カリスマ監督はグランパスを去る。 (木村尚公)

  =終わり

 

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