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資産家夫婦殺害 水産加工社長 主犯の逮捕でも消えない謎

【政治・経済】

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2013年1月31日 掲載

ドバイ投資の件で殺されたのか


 スイス在住の金融業、霜見誠さん(51)と妻の美重さん(48)が、埼玉県内の空き地から遺体となって発見された「資産家殺害事件」。30日、主犯とみられる男が逃走先の宮古島で逮捕された。男は「投資をめぐって不満がある」「霜見さんに損をさせられた」と漏らしていたという。しかし、殺害するのはよほどのことだ。いったい、なにがあったのか。
 逮捕されたのは、東京都江東区の水産加工会社「日鯨商事」の社長、渡辺剛(43)。

 鯨肉の加工販売のほか、2007年の日経新聞によると、中東での魚介類養殖も手がけていたようだ。逮捕される直前、宮古島の路上で洗剤を飲んで自殺をはかっている。

 渡辺は「歌手の福山雅治や槙原敬之がくるパーティーを日光でやるから」と言葉巧みに霜見夫妻を誘いだし、絞殺し、空き地に埋めている。霜見さんのメールによれば、1年前から面識があったらしい。

「2人は偶然、すし屋で隣に座り、お互いクルマ好きという共通点があり、親しくなったようです。飲み友達になり、一緒にゴルフにも行っていた。霜見さんは、渡辺について『いいお客さんになるかもしれない』と周囲に話しています」(証券関係者)

<山口もえ元夫、三塚博長男の名前も出てくる>

 渡辺が霜見さんに殺意を抱くようになったのは、霜見さんに言われるままに投資し、損失を被ったからだとされる。

「中東のドバイに関係する投資だとみられています。一説には、マグロの漁獲に関する利権だったともいわれています」(捜査事情通)

 ここ数年、霜見さんは、バブルに沸いたドバイの土地や株をめぐる投資話に関わり、トラブルにもなっていた。11年4月には、投資家から3300万円の損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こされている。裁判は継続中で、1月25日には霜見さんの尋問が行われる予定だった。

「ドバイへの投資は、『ロイヤルグレースパートナーズ』という会社が窓口になっていた。この会社の役員には、亡くなった自民党の三塚博さんの長男が名前をつらねている。霜見さんは、口座の開設やカネの管理などを任されていました」(司法事情通)

 不可解なのは、霜見さんを殺害するために、渡辺が相当な準備をしていたことだ。損をさせられた恨みなら、簡単に殺せば済む話。なのに、昨年11月、殺害する1カ月前にわざわざ埼玉県に土地を購入し、周囲をフェンスで囲い、男10人で重機をつかって遺体を埋める穴を掘っている。果たして、殺害の動機は、個人的な投資の損失だけだったのか。

 銀座のマンションに部屋を持ち、年収5億円というセレブな暮らしを満喫していた霜見さんの周囲には、政界関係者から芸能人、アウトローまで、有象無象が集まっていたようだ。タレントの山口もえの元夫とも接点があり、お笑い芸人の桜塚やっくんをパーティーに招いていたとも報じられた。夫婦殺害の裏には、まだ隠された闇があるのかもしれない。
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