全国最大の指定暴力団山口組(総本部・神戸市)で、直系組長の“リタイア”が相次いでいる。暴力団対策法が施行された1992年以降で最少の75人となり、ピーク時の約6割に減少。警察当局は、取り締まり強化や暴力団排除条例の浸透などで、毎月約100万円の「会費」を総本部に納められず、引退・除籍に追い込まれる直系組長が増えたことが主な要因と分析する。
捜査関係者によると、直系組長のピークは1963年ごろと92年の2回あり、いずれも120人を超えていた。3代目、5代目の組長のもとで勢力を広げ、各地の暴力団を傘下に収めた時代という。
2004年秋には約15年ぶりに100人を切り、6代目の篠田建市(通称・司忍)組長が銃刀法違反罪で収監された05年末以降、さらに減少傾向は進んだ。
引退・除籍となった直系組長の組織は、配下の組員が継承するか、別組織に吸収されるケースが多い。兵庫県警の捜査関係者は「困窮した組は無謀な資金獲得活動に走りやすく、摘発の危険性が高まる。あらかじめ排除し、山口組を防衛する上層部の意図もある」とみる。
一方で、6代目が収監中、指揮を代行した中枢幹部が「少数精鋭化」を進めたことや暴力団員・準構成員の潜在化、直系組長のリタイアによる傘下団体の別組織への吸収などで、勢力はある程度、維持されているとの見方もある。
2年後には山口組創設100年を迎えることから、警察当局は、組織強化の動きもあるとみて警戒を続けている。
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