ポケモンカードの「対立構造」の歴史と、これから2011年2月27日 トレーディングカード コメント (1)
PTCGがまた面白い記事を書いていますね。今度はロック論ですか。本当にFLATZONEっぽくなってきた気がします。
今回の記事で注目したのは、環境ごとの対立軸を明確にしていた部分ですね。
ポケモンカードのメタというのは、何かしらの対立軸を形成してきた過去があります。
最初に対立構造が顕著に現れたのは「ポケモンexVS通常ポケモン」だったと思います。ADVシリーズから現在の2体Legendのように「倒されるとサイドを2枚引かれるが、体力も攻撃力も高い」というポケモンexが出現し、あっと言う間にメタの上位に食い込んできました。しかしそのポケモンexからの攻撃を受け付けない「神秘の守り」系のポケモンを積んだデッキや、ルンパカルゴ・マグマウィニーのような展開力と攻撃力に優れた通常ポケモン主軸のデッキで対抗する人も多くいました。ポケモンex主軸のデッキがたった3体倒されただけで敗北してしまうのに対し、通常ポケモンデッキは6体倒されるまで戦えたのが利点だったと思います。ハギ老人の思いやり(ベンチポケモンを1体手札に戻す*exには使用不可)・ニシキのネットワーク(ポケモンを1体手札に加える。*exには使用不可)などexに使用することのできないカードや、砂漠の遺跡(exに毎ポケチェックごとに10ダメージ置くスタジアム)といったex対策カードもリリースされ、開発側が仕掛けた対立軸だと言ってもいいと思います。
次に現れたのは「封印の結晶型VS暴風型」という軸です。以前触れましたが、PCG後期にはカメルギアという圧倒的な攻撃力を持ったデッキタイプが成立しました。他にもマッハサーチピジョットをエンジンとしたデッキが多く、ある意味ポケパワー全盛期だったのかもしれません。そんな時に出てきたのが封印の結晶です。これは「バトルポケモンに付いていると、お互いのポケモンのポケパワー・ポケボディーが全て使えなくなる」という能力を持ったポケモンのどうぐでした。封印の結晶はポケモンexに貼ることはできなかったので通常ポケモンデッキに搭載されていきましたが、通常ポケモンデッキでもポケパワー依存のデッキもあったので全てのデッキに入った訳ではありませんでした。
しかし、あまりにも強力なカードだったため、同じパックに暴風という「ポケモンのどうぐ・スタジアムカードを2枚まで破壊する」というトレーナーカードが封入されていました。そこでカメルギアやルンパカルゴといったポケパワー依存デッキはこの暴風のカードを3,4枚積み、封印の結晶デッキに対抗していきました。実際の対戦では封印の結晶を暴風によって解除できるか、逆に解除された側は続けて封印の結晶を貼れるかどうか、で試合の流れが決まってきました。
その後、DPが発売されるとDP3のアブソルによるハンデスが流行し、その対策としてDP4にあのネンドールが、続くDP5にはユクシーがリリースされ、これにより「コスモパワー」「セットアップ」といったポケパワーを主軸としたデッキ回しが中心となりました。このような傾向に対し、相手のドローエンジンを潰してアドバンテージを取るという考え方が出てきました。すなわち、「ベンチ狙撃VSネンドール」という軸です。DPsゲンガーやガブリアスC・レントラーGLなどはこの点で優れており、DP落ちまで活躍していました。
環境がlegendに入ると、今度はもっと厄介なものがやってきました。探究者とポリゴン2による1キルデッキ、通称ポリタンクです。このデッキが環境に存在するために普通のデッキでもポケパワーロックの必要性が出てきました。そのためエムリットを2~4枚搭載するのが当たり前になり、先にエムリットを出した方が連続してポケパワーロックをかけ続け、そのまま試合の勝敗を決めてしまうようになってしまいました。ここまでくると対立軸は「エムリットVSエムリット」という異常事態に陥っていました。自分はこの環境に嫌気が差し、半年間のポケモンカード休業に入りました。正直、ゲームとして成立していなかったと思います。
そしてBW発売、DP落ちという新しい環境に入った現時点での対立軸は、一般では「レシバクフVSその他」、環境への影響力で考えれば「ゴチランVSその他」という認識に落ち着きそうですが、個人的にはちょっと違う見方をしています。
それは「ジャッジマン搭載デッキVS非ジャッジデッキ」です。この環境では前環境までのような強力なドローエンジンが存在していません。そのためお互いの手札を4枚にしてしまうジャッジマンの存在感が以前より大きくなっています。レシバクフ・レシエンブ・ゴチランといったトップメタのデッキも、初手ジャッジを決められた後にジャッジ系なら入るであろうメガヤンマGRに、2ターン目から攻撃されると非常に厳しい展開になるはずです。対抗策はキュウコンやヨルノズクといったドローエンジンを積んだりサポーターを増やすなどしてジャッジ耐性を付けるか、あるいは自分からジャッジとメガヤンマGRを積んでジャッジを使う側になるしかないと思います。
WCSのような大きな大会ではかなりの数を連戦するため、「負けない事」が要求されます。それはすなわち「事故らないこと」と言い換えることもできます。環境に事故を誘発してくるジャッジデッキが存在する以上、念頭に置いておかなければならないことだと考えています。
今回の記事で注目したのは、環境ごとの対立軸を明確にしていた部分ですね。
ポケモンカードのメタというのは、何かしらの対立軸を形成してきた過去があります。
最初に対立構造が顕著に現れたのは「ポケモンexVS通常ポケモン」だったと思います。ADVシリーズから現在の2体Legendのように「倒されるとサイドを2枚引かれるが、体力も攻撃力も高い」というポケモンexが出現し、あっと言う間にメタの上位に食い込んできました。しかしそのポケモンexからの攻撃を受け付けない「神秘の守り」系のポケモンを積んだデッキや、ルンパカルゴ・マグマウィニーのような展開力と攻撃力に優れた通常ポケモン主軸のデッキで対抗する人も多くいました。ポケモンex主軸のデッキがたった3体倒されただけで敗北してしまうのに対し、通常ポケモンデッキは6体倒されるまで戦えたのが利点だったと思います。ハギ老人の思いやり(ベンチポケモンを1体手札に戻す*exには使用不可)・ニシキのネットワーク(ポケモンを1体手札に加える。*exには使用不可)などexに使用することのできないカードや、砂漠の遺跡(exに毎ポケチェックごとに10ダメージ置くスタジアム)といったex対策カードもリリースされ、開発側が仕掛けた対立軸だと言ってもいいと思います。
次に現れたのは「封印の結晶型VS暴風型」という軸です。以前触れましたが、PCG後期にはカメルギアという圧倒的な攻撃力を持ったデッキタイプが成立しました。他にもマッハサーチピジョットをエンジンとしたデッキが多く、ある意味ポケパワー全盛期だったのかもしれません。そんな時に出てきたのが封印の結晶です。これは「バトルポケモンに付いていると、お互いのポケモンのポケパワー・ポケボディーが全て使えなくなる」という能力を持ったポケモンのどうぐでした。封印の結晶はポケモンexに貼ることはできなかったので通常ポケモンデッキに搭載されていきましたが、通常ポケモンデッキでもポケパワー依存のデッキもあったので全てのデッキに入った訳ではありませんでした。
しかし、あまりにも強力なカードだったため、同じパックに暴風という「ポケモンのどうぐ・スタジアムカードを2枚まで破壊する」というトレーナーカードが封入されていました。そこでカメルギアやルンパカルゴといったポケパワー依存デッキはこの暴風のカードを3,4枚積み、封印の結晶デッキに対抗していきました。実際の対戦では封印の結晶を暴風によって解除できるか、逆に解除された側は続けて封印の結晶を貼れるかどうか、で試合の流れが決まってきました。
その後、DPが発売されるとDP3のアブソルによるハンデスが流行し、その対策としてDP4にあのネンドールが、続くDP5にはユクシーがリリースされ、これにより「コスモパワー」「セットアップ」といったポケパワーを主軸としたデッキ回しが中心となりました。このような傾向に対し、相手のドローエンジンを潰してアドバンテージを取るという考え方が出てきました。すなわち、「ベンチ狙撃VSネンドール」という軸です。DPsゲンガーやガブリアスC・レントラーGLなどはこの点で優れており、DP落ちまで活躍していました。
環境がlegendに入ると、今度はもっと厄介なものがやってきました。探究者とポリゴン2による1キルデッキ、通称ポリタンクです。このデッキが環境に存在するために普通のデッキでもポケパワーロックの必要性が出てきました。そのためエムリットを2~4枚搭載するのが当たり前になり、先にエムリットを出した方が連続してポケパワーロックをかけ続け、そのまま試合の勝敗を決めてしまうようになってしまいました。ここまでくると対立軸は「エムリットVSエムリット」という異常事態に陥っていました。自分はこの環境に嫌気が差し、半年間のポケモンカード休業に入りました。正直、ゲームとして成立していなかったと思います。
そしてBW発売、DP落ちという新しい環境に入った現時点での対立軸は、一般では「レシバクフVSその他」、環境への影響力で考えれば「ゴチランVSその他」という認識に落ち着きそうですが、個人的にはちょっと違う見方をしています。
それは「ジャッジマン搭載デッキVS非ジャッジデッキ」です。この環境では前環境までのような強力なドローエンジンが存在していません。そのためお互いの手札を4枚にしてしまうジャッジマンの存在感が以前より大きくなっています。レシバクフ・レシエンブ・ゴチランといったトップメタのデッキも、初手ジャッジを決められた後にジャッジ系なら入るであろうメガヤンマGRに、2ターン目から攻撃されると非常に厳しい展開になるはずです。対抗策はキュウコンやヨルノズクといったドローエンジンを積んだりサポーターを増やすなどしてジャッジ耐性を付けるか、あるいは自分からジャッジとメガヤンマGRを積んでジャッジを使う側になるしかないと思います。
WCSのような大きな大会ではかなりの数を連戦するため、「負けない事」が要求されます。それはすなわち「事故らないこと」と言い換えることもできます。環境に事故を誘発してくるジャッジデッキが存在する以上、念頭に置いておかなければならないことだと考えています。
コメント
私のような凡人でも理解できるように丁寧に説明していただきありがとうございます
現環境で最も厄介なのはジャッジですよね
私もようやくジャッジを回避することが大きな課題だと思い至ったところでした
いち早くそこに辿り着く先生の思考に感嘆いたします