韓国は慰安婦問題などで国際社会に対して、日本を貶めるキャンペーンを展開している。韓国の攻勢の前に、日本は沈黙を強いられている。
「今のオバマ政権の、特にアジア担当のなかには日本よりも韓国へ心情的に傾いている人たちが多い。安倍首相としては、オバマ政権を刺激すべきではないと考えたのではないか」(産経新聞ワシントン駐在編集委員の古森義久氏)
韓国の厄介な点は、日本批判で国内問題から国民の目を逸らす意図や国際社会での地位向上を狙っている面もあるにせよ、それ以上に、日本への「嫌がらせ」自体を目的としていることだ。
言論NPOと韓国のシンクタンクが今年5月に発表した日韓共同世論調査によると、相手国の印象が悪いと答えたのは日本人が37%に対し、韓国人は77%。約8割の韓国人は「ただ日本が嫌いなだけ」というのが、反日の実態なのだ。
中国のように日本批判の狙いが経済的利益を得るためのカードではないだけに、まともな外交交渉では解決できない。
産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏が解説する。
「韓国の場合、政権が変わると全くイチからの出直しとなるのも厄介です。慰安婦問題や労働者の強制徴用問題もすべて1965年の日韓国交正常化の際に解決しているはずなのに、政権が変わるたびに繰り返し謝罪を要求してくる。
そのわりに、朴槿恵・大統領は9月にベトナムを訪問しましたが、韓国軍によるベトナム戦争での住民虐殺事件などについては一切言及しなかった。これが日本になると変わるというのは明らかにおかしいのですが、それを指摘できる状況にはない」
※週刊ポスト2013年10月11日号