世界変動展望

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筑波大、国立環境研究所のおばさん研究者の現状。筑波大等は規定を遵守したか?

2013-09-18 00:00:03 | 社会

村山明子が筑波大研究者総覧で確認できないことがわかった(写し)。少し前は筑波大学生命環境科学研究科講師だったが、少なくとも同大を離籍している。これは端的にいって不正を理由に辞職又は解雇された可能性を示す。

7月に加藤茂明元東大分生研教授のグループの論文43編に不正が判明し撤回の必要があることが報じられた。疑惑論文の筆頭著者の一人が村山明子だ。加藤研の不正とは別に筑波大の柳澤純研究室でも不正疑惑が指摘された。これは2012年2月に筑波大に告発された関連)。筑波大は予備調査の実施を決定上昌広(東大医科学研究所特任教授)の記事によると加藤事件は「多くの場合、論文の筆頭著者と、不正を働いた研究者は別人だった。不正の大部分は、当時、助手を務めた一部の研究者によって行われていた[1][2]」という。村山や後に述べる立石幸代(告発時、国立環境研究所ポスドク)が不正の実行者かは判明していない。

しかし、村山は不正が濃厚と目されてきたのは事実で、加藤研の予備調査の公表後の翌月頃に筑波大を離籍したことを考えると、不正を理由に辞職又は解雇された可能性が最も高い。なぜなら、村山が他の研究機関に移籍することは不正疑惑ゆえに困難だからだ。村山が実行者でなくても筆頭著者としての不正責任をとったのかもしれない。

一方、疑惑論文の筆頭著者だった立石幸代は2012年4月以降の所属が不明。調査しても論文どころか口頭発表さえ確認できない。一般にプロが1年半以上も研究発表をしていないのは珍しく、研究者を辞めたのではないかという印象を受ける。2012年1、2月の告発のためにポスドクの任期切れで離職した可能性は否定できない。不正が認定された場合、立石はさらに博士号の取り消しの可能性もある

しかし、責任著者の柳澤純は現在も同大研究者総覧で確認でき離職していない。だから、村山が不正を理由に離職していても、それは加藤事件が原因で、別件の不正が理由ではないと推測する。

そのため、どうしても気になるのが、筑波大等は柳澤研独自の不正疑惑をきちんと調査したのかということだ。疑惑の態様からいって少なくとも本調査が行われないのは規定違反だ。私は責任著者の柳澤が責任をとらされないのは不可解だと思う。しかし現在まで本調査や処分を確認できない。本当に本調査をやったのか。

予備調査をして不正の疑いがあれば本調査しなければならないのが規定関連)。昨年2月の告発は立石らの論文を含んでいるから、文科省のガイドラインでは告発当時の立石の所属機関だった国立環境研究所と合同で調査する義務があり、本調査を実施しないのは規定違反。筑波大は専門誌の指摘を受けても藤井善隆の不正を調査せず、世界記録捏造を達成させた前科がある

本調査を実施したのが筑波大か国立環境研究所かは不明だが、本調査を実施していないなら不適切。

現在の研究不正調査制度の大きな問題の一つは規定に実効性がないことだ。井上明久事件、藤井善隆事件の東邦大調査、バルサルタン事件の京都府立医大のお手盛り予備調査など内部規定や文科省ガイドラインが恣意的に扱われ、不公正な調査が実施されていることは大きな問題だ。

もし筑波大や国立環境研究所が告発を受け、規定上調査しなければならないのに実施しなかったのなら、学術界の信用を大きく毀損し、「何も改善がない。結局同じ事の繰り返しだ。」という考えを世間に与えることになる。

研究機関が内部規定やガイドラインを恣意的に扱う現状を考えると、拘束力のある実効的な規定とそれを公正に運用する研究公正局(外部第三者調査機関)がなければ、研究不正の改善は実現できない。

村山らのことは加藤事件が大きなスキャンダルゆえに近いうちに必ず報道されるだろう。東大の公表が牛歩だったとしても、村山が不正を理由に辞職又は解雇されていれば公表前に十分報道される可能性がある。村山や立石が筑波大や国立環境研究所を離籍したのかどうか、その理由は取材すれば簡単につかめるはずだ。報道は迅速さがとても大切で、他紙に抜かれたら負けだ。牛歩の東大にあわせていたら、百歳まで生きなければならない。できるところから迅速に報道してほしい。

私は特に規定を遵守し本調査を実施したのかどうか、実施していないなら規定違反の不適切さを報じてほしいと思っている。なぜなら、上で述べたようにこれが不正調査制度の大きな問題点の一つで特に改善を必要とするからだ。繰り返しになるが、どれだけ優れた規定を作っても恣意的に運用されたら、不条理な調査にしかならない。

近いうちに報道があることを期待する。

参考
[1]上昌広:"加藤茂明教授のこと" Yahoo ニュース 2013.9.4
[2]東大分子細胞生物学研究所の助手を務めた人物といえば、北川造史(群馬大教授、経歴)、柳澤純(筑波大教授)、武山健一ハーバード歯科医学校客員准教授、2012年8月31日で東大分生研准教授を辞職(ここのp17)、経歴その他)、高田伊知郎(慶應義塾大学医学部助教(有期)、2009〜2011年度まで同大医学部講師だったので降格、経歴)、大竹史明(国立医薬品食品衛生研究所研究員、2012年6月30日で東大分生研講師を辞職(ここのp17)、事実上の降格、経歴)など。その他の東大分生研の人事異動(p29)。

上は「一部の助手は、不正を指摘された研究が評価され、他大学の教授に就任している。辞職は避けられないだろう。[1]」と述べている。現在教授なのは北川と柳澤純。武山はハーバード歯科医学校に所属している。これはハーバード大学の大学院。いかに世界的に著名な大学とはいえ、東大の正規の准教授を辞めてまで客員准教授になるかな。正規の准教授なら移るかもしれないが。

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1 コメント

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間接経費で守られる教授 (匿名)
2013-09-21 04:47:02
Y氏もK氏も最先端次世代研究開発の研究費を受給している。Y氏は新学術ゲノム普遍的制御の計画班員でもあるほか、科研費の基盤Aも取っている。間接経費を考えると、大学には彼らを守ろうとする十分な理由がある。学長や教授会の見識が問われている。

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