中村美彦の無頼放談 バックナンバー

バッグナンバー

2008年6月バックナンバー

ゲスト坂本眞一さん(北海道観光振興機構 会長)
取材中の様子

ゲストプロフィール

坂本眞一さん 1940年、九州生まれ。1964年、北海道大学工学部卒業後、日本国有鉄道に入社。国鉄の分割民営化後は北海道旅客鉄道株式会社=JR北海道に移り、常務取締役、専務取締役を歴任し、1996年に代表取締役社長、2003年には代表取締役会長に就任。在任中は札幌南口開発や線路と道路の両方を走ることができるデュアル・モード・ビークルの誕生などに力を尽くしたほか、北海道新幹線の誘致運動にも深くかかわり、北海道経済・観光の牽引役として活躍。今年4月、JR北海道の取締役相談役に在職のまま、民間主導を理念に新たに発足した北海道観光振興機構の会長に就任する。

平成20年6月15日放送

「新幹線、サミットに何を期待するか…」

  日本の180万人以上の都市で新幹線が通っていないのは札幌だけだそうです。新幹線があるかないかでその地域の経済の発展性が大きく違うと坂本会長は力説します。ただ、新幹線はあくまでも人の移動手段であり、作ること自体が目的ではないことも強調します。北海道に新幹線を誘致する目的はあくまでも経済の活性化、とくに観光の振興にあると坂本さんは言います。北海道観光振興機構の会長を引き受けた理由には新幹線の札幌延伸を実現して北海道を活性化したいという思いもあったと言います。一方で広い北海道に多くの観光客を誘致するには新幹線だけでなく高速道路、航空路線、コミューター航空といった他の交通手段とのネットワーク化も必要だと言います。
  7月に開かれる北海道洞爺湖サミットはスタートしたばかりの北海道観光振興機構にとっては絶好のチャンスであり、ぜひ世界に北海道のすばらしさをアピールしたいと坂本会長は言います。同時にこの秋に観光庁ができる日本にとっても「観光元年」の足がかりになる一大イベントと位置づけています。さらに坂本会長は地域活性化のもうひとつの鍵として「道州制」の実現をあげています。地域が主権をもって観光行政を進めていくことが北海道の活性化につながると言います。特に、サミット後の国際会議の誘致、国際機関の設置を道州制も見すえて検討すべきと提言しています。
 北海道を繰り返し訪れるリピーターに最大の魅力は何かたずねると多くの人が「北海道に住む人と人情」と答えるそうです。北海道観光の振興のためにはこうした面も大切にしていきたいと坂本会長は語っています。 

(プロデューサー 藤木俊三 記)

平成20年6月8日放送

「これからの北海道観光活性化の戦略は…」

  最近、北海道を訪れる海外の観光客が増えています。ニセコのオーストラリア人観光客は良く知られていますが、意外に知られていないのがシンガポール、ロシアなどからの観光客です。こうした国々からの投資も受け入れながら北海道の地域が一体となってニーズをうまく取り入れて、観光開発に取り組む必要性を坂本会長は強調します。そして最大の魅力である冬のスキー、パウダースノーをもっと積極的売り出すべきだとも提言します。また、自然豊かな北海道は札幌のような都市中心の観光だけでなく、農業や漁業といった一次産業を巻き込んで、癒しや健康をテーマにした観光を考えていく時代になっていると言います。坂本会長は北海道ならではのすばらしい観光資源が各地にあるので、北海道観光振興機構も地域と一体となって、そうした面を積極的に道外や海外へ売り出して行きたいと抱負を語ります。
  ここ数年は団塊の世代が定年退職を迎える時期、この世代の観光ニーズを取り込むために坂本会長が提唱するのが「ゆとりツーリズム」です。とくに北海道出身で道外に暮らす人たちをさまざまな形で再び北海道に呼び込む工夫が必要だと言います。今、東京だけで一部上場企業の取締役で北海道出身者は約1100人います。そのうちの半分の人は退職後、北海道に戻って来たいと思っていると言います。そういう思いを持つ北海道出身の人々に「移住は無理でもせめて一週間でも10日間でも北海道旅行を楽しんで下さい」というのも「ゆとりツーリズム」のひとつのコンセプトです。ふるさととのつながりを大切にしたいという気持ちを観光ニーズとして取り入れて、癒しの場ともてなしを提供できるかは、今後の北海道観光のひとつの試金石かもしれません。

(プロデューサー 藤木俊三 記)

平成20年6月1日放送

「オール北海道で観光を盛り上げよう…」

  4月に発足した北海道観光振興機構はそれまであった北海道観光連盟=道観連の仕事を受け継ぎつつ、民間主導で観光プロモーションと同時に幅広い観光産業の育成を目指す、オール北海道の組織です。日本が産業としての観光に注目し始めたのは九州・沖縄サミット以降で、観光産業のメリットに気づいて本気で動き出したのはつい2~3年前のことと坂本会長は指摘します。従来の道観連は観光地・北海道を行政主導でPRするのが主な仕事でした。“北海道はいいところ”というイメージを作りには貢献したものの、観光産業の育成までは手が回っていないのが現実でした。組織的にも行政の他は交通や宿泊施設、みやげ物店などの観光に直接関係のある企業や団体が中心で運営されて来ました。北海道観光振興機構は観光関連だけではなく金融や電力、製造業をはじめ農林漁業、プロスポーツチームまで道内のあらゆる企業、団体の力を結集して民間主導で北海道観光を盛り上げ、北海道を活性化することを目指します。予算的にはまだ7億円のうち5億円が道の補助金に頼っていますが、ゆくゆくは少なくとも官と民、半々くらい、できれば資金面でも民間主導にしたいと坂本会長は言います。食べ物、自然景観、温泉等々観光資源に恵まれている北海道は国内外の観光客の注目度も高いが、必ずしも訪れる人の細かいニーズに対応できていないと坂本会長は言います。まずはホストとしての北海道民が自らの土地のすばらしさに自信を持ち、細かいニーズに対応した地域性や個性を生かしたもてなし方を考える必要性をあると提言します。

(プロデューサー 藤木俊三 記)
バッグナンバーへ
HBC RADIO top  |  HBC top  |  HBC TV top  |