南方の巨大魚や漂着死が消え、スケトウダラやメバルが戻った…
「原発停止」で復活した日本の海
(週刊朝日 2013年9月27日号配信掲載) 2013年9月18日(水)配信
九州電力に温排水の環境への影響について聞くと、
「海水温度が1度以上上昇する範囲は、ほとんどが沖合2キロメートル内外となっており、これまで周辺海域の海生生物への影響は認められておりません」
との回答だった。
高浜原発のある関西電力も、次のように答えた。
「放水口のごく近傍では(海生生物の)育成状況に多少の変化が生じることは考えられるが、周辺海域全体から見ると、温排水による大きな変化は生じないものと考えている」
建前はそうだろうが、原発停止後に各地で見られる変化を見ると、温排水が海の生物や海洋環境に影響を与えてきたことは否定できないだろう。
「魚は人間と違い体温調節ができない。水温が1度上下するだけで生態系は大きく変わります。地球温暖化で水温は高くなる傾向にありますが、1度、2度と急に変わることはない。南方系の魚が減った、昔いた魚がとれたということであれば、温排水がなくなって元の海に戻ったと考えられる」(益田氏)
原発近くで会った漁師はこう話していた。
「やっぱり、温排水ってすごく影響があったな。自然のままの海で漁をするのがいちばん幸せだ」
今西憲之/本誌・小泉耕平
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