南方の巨大魚や漂着死が消え、スケトウダラやメバルが戻った…
「原発停止」で復活した日本の海
(週刊朝日 2013年9月27日号配信掲載) 2013年9月18日(水)配信
原発停止で昔の日本の海が戻る──。このような現象は他の原発でもあった。
北海道泊村の泊原発。福島第一原発の事故後、次々と運転を停止する原発の中で、いちばん遅い12年5月に全停止となった。
「運転が停止されて以降、漁獲が増えたと聞いています。岩内の港では、スケトウダラの漁獲が前年比で1・5倍になった」
そう話すのは、岩内町の佐藤英行町議。スケトウダラの水揚げ高は、2012年に166トンだったが、13年は246トンに増えた。
「スケトウダラは、水温が低めのほうが産卵に適して、よいとされています。原発の運転停止で温排水が排出されなくなったことが、漁獲高増につながっているのではないでしょうか」
と佐藤町議は言う。
さらに九州は鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市の川内原発。ここでも、変化があった。
川内原発から約20キロほどに位置する鹿児島県阿久根市の阿久根漁港は、刺し網漁、巻き網漁から一本釣りまで、さまざまな漁法で豊富な魚種が水揚げされる。鹿児島県北西部の港を統合している北さつま漁協の野村義也組合長がこう話す。
「川内原発が停止して、南方系の魚が消えた。その代わり、ほかの魚がとれるようになったという漁師の声を聞くようになりました」
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