小泉純一郎元首相脱原発宣言60分
「政府はできるだけ早く原発ゼロを提示せよ」「今は原発ゼロで平気で生活している」
(週刊朝日 2013年10月11日号配信掲載) 2013年10月2日(水)配信
安倍発言にクギ
安全わからない
IOC総会で汚染水問題について「コントロールされている」と語った安倍首相にクギを刺すかのように、こうも語っている。
「汚染水なんていうのは、どこから漏れてるのか、海は大丈夫なのか、はっきりした結論が出てない。つい最近、安倍総理が汚染水視察に行きましたよね。ヘルメットして、顔面にマスクをして、全身防護服で。約3千人の作業員も防護服姿で汚染水処理にあたっています。一日の作業が終わったら、その服は全部、捨てなきゃいけない。それらは焼けない。また放射能が出てしまうから。そして未だどこまでの地域に入れるのか、どこまで安全なのか。人体だけじゃない。生物、農作物、海産物。被害がわかりません」
小泉氏が語ったところによれば、脱原発を志すようになったのは、NHKが原発事故後に放送した海外制作のドキュメンタリー「地下深く永遠に〜100,000年後の安全〜」を見たのがきっかけだったという。同番組は、フィンランド南西部の島で建設が進む世界初の使用済み核燃料の最終処分場「オンカロ」がテーマ。「オンカロ」はフィンランド語で「洞窟」の意で、文字どおり、地下400メートルに掘られた空間に、核のゴミを埋め、10万年以上にわたって封印する施設だ。この番組をきっかけに原子力の勉強を始めたという小泉氏は今年8月中旬、三菱重工業、東芝、日立製作所など原発メーカーの幹部らと一緒に「オンカロ」を視察。このとき、脱原発を確信したというのだ。
「原発に投入したカネを、それぐらいの額を自然を資源にするさまざまなエネルギーにこれから向けていく。私は日本国民なら必ずできると思う。そういう大きな転機がこの大震災でやってきたと捉えたほうがいいと思うんです」
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