福島県 海水の放射性物質検査10月3日 18時38分
東京電力福島第一原子力発電所で、2日夜、タンクから汚染水が漏れ、一部は海に流出しているおそれがある問題を受け、福島県は3日独自に現場付近の海水の放射性物質の濃度を検査しました。
福島県は、東京電力とは別に、福島第一原発周辺で海水の放射性物質を監視するモニタリングを続けていますが、今回、海に流出しているおそれがある汚染水漏れが起きたことを重くみて、汚染水が海に流れ出たおそれがある排水溝の出口付近で緊急の検査を行いました。
福島県によりますと、3日午後2時ごろ、県の原子力センターの職員2人が福島第一原発に入り、原発の港の外にある排水溝の出口付近で海水40リットルを採取したということです。
福島県は海水に今回流出したおそれがある汚染水に含まれていたストロンチウムなど、ベータ線を出す放射性物質が含まれていないか分析を進めることにしています。
結果が分かるのは来週になる見通しだということで、県は分析結果を速やかに公表したいとしています。
福島県東電に申し入れ
福島県は3日、東京電力に対し、雨が降った際に汚染水漏れを防ぐ対応の手順や必要な態勢を明確にして今後に備えるよう申し入れました。
福島県生活環境部の長谷川哲也部長は3日午後、東京電力福島復興本社の石崎芳行代表を県庁に呼びました。
長谷川部長は「これまでもリスク管理を徹底するようお願いしてきたなかで、対応が後手後手となっていることは極めて遺憾だ。全社を挙げて対策を講じるよう改めてお願いしたい」と述べました。
そのうえで、雨が降った際に汚染水漏れを防ぐ対応の手順や必要な態勢を明確にして今後に備えることや、タンクに水位計を設置すること、それに、せきの高さをかさ上げすることなどを申し入れました。
これに対し、石崎代表は、「皆さまにたびたびご心配をおかけして本当に申し訳ない」と述べたうえで、ことし中にすべてのタンクに水位計を設置するほか、タンクが設置されているエリアごとに態勢を組んで、今後の雨に備えたいと答えていました。
漁業者「しっかりしてほしい」
東京電力福島第一原発で、2日夜、タンクから汚染水が漏れて一部が海に流出したおそれがあることについて、先週、試験的な漁を再開したばかりの福島県相馬市の底引き網漁船の船長、菊地昌博さん(59)は「またなのかとあきれかえっている。試験操業が始まっていちばんこわいのが風評被害の拡大で、足踏みすることがないようにしてもらいたい。責任ある人間が本腰を入れて徹底的に対応してもらいたい。もうミスは許されない」と話していました。
また、別の漁船の船長の佐藤幸男さん(53)は「汚染水問題については、もううんざりでがっかりしている。試験操業を再開してわれわれは頑張っているのに東京電力にはしっかりしてもらいたい。国も、全面的にやるといっても次々にずさんな問題が起きて首をかしげたくなる。こういうことがないように国にも取り組んでもらいたい」と話していました。
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