過去10年間、国内総生産(GDP)が毎年平均約8%上昇しているような国での未成年売春の増加は、世界最大の民主国家での女性の扱いやカースト制度の威力を物語っている。インドでは、全世界で実施される女性の不妊手術の約40%が行われており、平均21分に1人の女性がレイプされ、全女性の3分の1は読み書きができないでいる。女性の地位がいまなお低く見られているのだ。
最下層のカーストに属する家庭はすべて、娘が売春で得る収入を頼りにしており、そういった家庭では往々にして父親や男兄弟が売春を斡旋(あっせん)している。少女は思春期に達すると、初めての相手がオークションで決まることが多い。
カースト最下級のベディア族出身のスチトラさんを見ていると、カースト制度がいかに職業や社会的地位を決定するかが分かる。宗教に基づき何千年も続いてきた構造が、特定の集団を過小評価し、女性を孤立と虐待のサイクルに閉じ込めている。