「KARAや少女時代を超えるグループがなく、飽きられてヒットが出なくなってきた。加えて昨年からの日韓関係の悪化で“韓国嫌い”の風潮も日本に蔓延している。K−POPという台風の暴風域が過ぎて、温帯低気圧に弱まった感じだ」と富澤氏。
K−POP勢の中では親日的といわれるKARAの日本人気は依然、衰えていない。だが、グループによってはタダ券を配らなければ客席が埋らないケースも増えている。ベテラン芸能ライターが証言する。
「今年夏に、男女の人気グループが多数出演するイベントがあった。数年前なら完売で、チケットはプレミアものだったが、直前にタダ券が回ってきた。空席が目立つと格好がつかないため、取材を通じて知り合ったライターや編集者、広告代理店関係者らにタダ券をばらまいたり、雑誌にプレゼント告知を出してしのいでいる」
ソウルに拠点を置く芸能プロダクションでは、日本から中国へ音楽の輸出市場を転換しはじめた。
「海賊盤が横行する中国では音楽ビジネスが成り立ちにくかったが、最近は富裕層が増えてコンサートやイベントの入りが良い。最終目標は中国大陸だ」(プロダクション関係者)
日本の音楽業界にとっては足もとを見つめ直すいい機会だ。