はだしのゲン:東京・杉並の中学、英訳者の講演中止 吉村和真・京都精華大マンガ学部長の話
毎日新聞 2013年10月05日 東京夕刊
◇大人の都合、子供は察する−−「はだしのゲン」の研究書をまとめた吉村和真・京都精華大マンガ学部長
元々、「ゲン」を広めたい意欲のある人が翻訳に関わっている。曖昧な経緯で突然講師が交代すれば、中学生なら敏感に大人の都合や圧力を察する。それこそ中沢さんが作品の中で一番嫌っていたものだ。議論する機会もなく、ゲンに関われば後味の悪い思いをするというのが空気感のように広がるのは、更に良くない。