
【工場屋根に施工した「クールルーフネット」】
長野沖電気=小諸市耳取、森園英人社長=は電力削減、省エネ対策で、工場屋根を遮光ネットで覆う工事を今月上旬に行い、空調の節電に取り組んでいる。
遮光ネットは、スポーツなどのネット製造販売するナカダ産業=本社・静岡県島田市=と伊藤忠商事、東レが3社で共同開発した「クールルーフネット」。省エネ大賞の中小企業庁長官賞受賞。屋根のため、防火対策、台風に耐える強度のあるポリエステル難燃糸を使用。酸アルカリにも強く、10年以上の耐久性、短期間施工。コンテナハウスの実験で天井下50㎝の気温が、無対策より3・4度低く、遮熱塗料より1・2度低い結果を得た。施工費は目安として1㎡当たり4000円。
OKIグループでは、7月から10月のピーク電力抑制で、中部電力の要請もあり、2010年度比5%抑制が目標。通年では電力料金を2010年度比で増加率6%以下が目標。2010年より電気料が上がっているため、実質で1割以上の電力カットが必要になる。同社管理部の原田和夫部長は「さまざまな節電を行っている。室温を下げるため遮熱塗料を考えたが、テレビ番組で紹介されていたネットを取り入れようと、社内を説得した。効果があれば、ほかの建物にも導入したい」と話す。設置した工場建物は、熱で溶かしたはんだを扱うため室温が高く、設置面積は2000㎡余り。
ナカダ産業の佐藤彰則営業副部長は「日傘をさしているイメージ。ネットのため、雨水や風を通し、通気性がよいため、溜まった熱を逃がす。織りではなく編んだネットのため、一部が裂けたとしても広がらない。長野県内でこれだけの規模で施工するのは初めて」と話していた。