なぜ記者会見を開いて説明しないのか――。みずほ銀行への批判はこの1週間、高まるばかりだった。問題の融資について口をつぐむ間に、元副頭取の関与など新たな事実が相次いで報じられた。対応は後手に回り、情報開示は迷走した。
みずほ銀、融資問題放置認める岡部副頭取会見の主なやりとり「より早く対応した方が説明責任を果たせると考えた」。4日会見したみずほ銀行の岡部俊胤(としつぐ)副頭取は、会見した理由をこう説明した。
金融庁が処分を発表したのは9月27日午後だった。みずほ銀は紙の資料を報道陣に配ったが、広報室長による背景説明にとどまり、会見には応じなかった。
その後、29日夜と30日朝には佐藤康博頭取が一部の報道機関の質問に立ち話で答える「囲み取材」に応じたが、会見は開かなかった。別の大手行幹部からは「問題融資を放置するなど考えられない。なぜ会見しないのか」との声も上がったが、みずほ銀は対応を変えなかった。