今回の閣僚会合では、難航分野で局面打開への道筋をつけられるかが焦点になる。
特許権や著作権の保護期間を決める「知的財産」分野は交渉が遅れている。米国が映画などの著作権の保護期間を70年に延長することを要求するのに対し、新興国は使用料の支払額増加を懸念。世界的な製薬企業を抱える米国は新薬開発を促すため特許期間の延長も訴えるが、マレーシアなどは特許が切れた安価な後発薬の製造が妨げられると反対している。
国有企業の優遇措置を見直す「競争政策」分野では、米国が国有企業への優遇措置が民間企業の海外投資の障害となっていると主張。公平な競争条件の整備を求めるが、国有企業を多く抱えるベトナムやマレーシアは難色を示す。日本は基本的に米国と同じ立場だ。
最大の難関である関税撤廃を扱う「市場アクセス」は日本がコメなど重要農産品5分野の関税死守を目指すが、オーストラリアなどの農業大国は撤廃を主張。ただ、前段となる2国間協議が進んでおらず、突っ込んだ交渉はバリ会合後になる見通しだ。