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【よくわかるニュースQ&A】インフラ老朽化 一斉に50年超 建て替え総額190兆円
2013/01/21 10:16更新
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記事本文
橋や下水道、トンネルといった私たちの日常生活に欠かせない公共インフラの老朽化が全国的に進んでいます。
Q どれくらい古くなっているのですか
A 国土交通省によると、全国の道路橋(長さ15メートル以上)のうち、2010年度時点で建設後50年以上が経過した橋は全体の8%でした。20年度には26%、30年度には53%になる見込みです。
Q なぜ急に増えるのでしょう
A 戦後の復興と経済成長に伴い、1950年代後半から80年代ごろにインフラ整備が進んだためです。今後、一斉に老朽化の時代を迎えることになります。
Q 道路橋以外はどうですか
A 30年度に建設後50年が経過している施設の割合は、下水道19%、水門などの河川施設60%、港湾岸壁53%です。
Q きちんと手入れをしないといけませんね
A 古くなるほどコンクリートのひび割れや、部品のさびといった異常が増えます。しっかり点検や補修をしないと橋が落下したり、下水道が破裂して道路に穴が開いたりして大事故につながる危険があります。
Q 実際に事故は起こっているのですか
A 開通から35年たった山梨県の中央自動車道笹子(ささご)トンネルで昨年12月、天井板が突然落ちて通行中の車が下敷きになり、9人が亡くなる事故がありました。天井板をとめるボルトやトンネルのコンクリートが古くなっていた可能性があります。米ミネソタ州では2007年、建設して40年の高速道路の橋が落下し13人が犠牲になりました。
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記事本文の続き Q 国の対策は
A 国交省は笹子トンネル事故を受け、道路や港湾、堤防、鉄道施設の点検を急いでいます。異常を早く発見し、補強や建て替えなどの対策を実施するためです。
Q お金がかかるのではありませんか
A 国交省の計算によると、建て替えに必要な費用は11年度からの50年間で総額190兆円になる見通しです。30兆円程度が不足し、十分な修理ができない可能性があります。
Q 国や地方自治体がお金をどう確保するかが課題になりますね
A 安倍政権は国民の命を守る防災対策に力を入れるため、お金が足りなければ国債発行を増やしてでも対応する方針です。一方、国や地方の借金がさらに増えることを心配する声もあります。「新規建設より老朽化対策を優先すべきだ」と話す専門家もいます。
◇
≪首相「国道整備で50万件点検」 防災・減災≫
政府が1月11日に決定した緊急経済対策の公共事業は、重点3分野の一つ復興・防災対策が中心となる。このうち道路などインフラの老朽化対策や防災・減災対策に2.2兆円を確保し、自民党が衆院選公約で訴えた「国土強靱(きょうじん)化」を進めるとしている。
老朽化対策では、中央自動車道笹子(ささご)トンネル(山梨県)の天井板崩落事故を踏まえ、トンネルや橋、堤防、港湾、下水道、水門などを総点検し、緊急的な補修を実施する。
安倍晋三首相は11日の記者会見で「国道整備だけでも約50万件を緊急点検する」と強調した。
地方自治体が管理するインフラの点検、補修は「防災・安全交付金」で支援。点検マニュアルの作成や結果のデータ化、技術者の育成など、ソフト面も充実させる。
首都直下地震や南海トラフ巨大地震といった大規模災害に備える防災・減災対策では、港湾の耐震強化岸壁や防波堤を整備し、津波被害の軽減につなげる。災害時に被害が拡大しやすいとされる都市部の密集市街地で、火災の延焼を防ぐ道路の拡幅や公園整備に取り組む自治体を補助する。
災害時に迂回路としても活用できる交通網の充実のため、各地に残る高速道路の未整備区間の解消も目指す。さらに、住宅の耐震改修や建て替えを促進するため、費用を支援し、学校の耐震化、老朽化対策も急ぐ。
老朽化と防災対策以外では、渋滞緩和のための道路拡幅やバイパス整備を進めるほか、通学路の交通安全対策も盛り込んだ。公共事業で地方が負担する費用の大半を国が肩代わりするため、地方自治体向けの臨時交付金(1兆4000億円)を創設する。
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- かねてよりこのブログで社会インフラの維持管理と更新が必要なことを訴えてきた。…
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