この日の長谷川は無安打に終わった（右は大谷）

　パ・リーグ９月の月間MVPを受賞したソフトバンクの安打製造器・長谷川外野手は９月、リーグトップの打率３割７分９厘をマーク。またリーグ２位の５本塁打も放った。今年６月以来自身２度目の受賞となり「本当にうれしい。９月は、シーズン終了まで残り１か月ちょっと、という時期なので、緊張感のある試合ばかりだった。そんなに打てたのも記憶にないくらいでした」と笑顔を浮かべた。

　今季の長谷川は「今年に入っても成長できてると思う」とたびたび口にするなど、ことあるごとに自身の進化を実感している。シーズン終盤になっても安打量産ペースは落ちることはなく、それどころかすご味は増すばかり。打撃好調でも、それに満足して守りの姿勢にならず、さらなる変化を模索し続けた結果が、好成績をもたらしている。

「開幕当初と今とでは感覚が違う。試行錯誤してやってきた積み重ねだと思う。バッティングは生き物。その時その時で変化していく。いい時のものを続けていてもいけない」。常に打撃向上を目指す姿はストイックだ。それはチーム内の誰もが認めるところで、まさに“求道者”そのもの。

　長谷川によると昨季までより上のステージで打撃を追い求めることができているという。「（野球が）楽しいというか面白いですね。いい結果が出てるからではなくて、感覚が昨年より引き上がったから、失敗しても悩む問題が（これまでより）難しくなってきましたからね」と笑顔を浮かべて話した。

　今季の首位打者と最多安打のタイトル獲得はほぼ確実となっている。今後さらに進化することも間違いなさそうだ。