韓国軍:軍病院の恥ずべき実態!!
銃創の専門医おらず、指の骨折も治療できず!?
韓国海軍によるアデン湾の黎明(れいめい)作戦中に銃撃を受け、負傷したサムホジュエリー号の石海均(ソク・ヘギュン)船長は、治療のため韓国に移送された後、水原市内の亜洲大学病院に運ばれた。このニュースが流れると「銃創などの治療は軍の病院が専門に行っているはずだが、なぜ民間病院に運ばれたのか」と疑問視する声が相次いだ。これについて専門家は「医療水準が低い軍病院の現状が知られていないからだ」と指摘する。銃撃を受けて負傷した場合、現場の兵士でさえ軍病院ではなく、民間病院で治療を受けようとするという。これはつまり、軍病院の医療レベルや軍医官の能力が低いことを意味している。
■手術経験豊富な医師が少ない軍病院
昨冬に江原道春川市の部隊で、訓練中だった兵士が流れ弾に当たって負傷するという事故が発生した。銃弾は肋骨を粉々に砕いて体内に貫通し、肺など胸部に大量の出血を引き起こした。医療陣は直ちに胸を切開して破片を除去し、縫合などの処置を施す必要があった。負傷した兵士は軍病院のうち最も規模の大きい国軍首都病院に緊急移送されたが、この病院には兵士の治療や手術を行える軍医官が1人もいなかった。集中治療室も、この種の重傷患者を治療するには施設や医療器具が不十分だった。結局、この兵士は城南市にある「盆唐ソウル大学病院」へと再び移送され、手術を受けた。
哨戒艦「天安」爆沈、延坪島砲撃など北朝鮮による挑発行為が相次ぐ中、60万人の兵士の健康と生命を守る軍医官は2100人いるが、そのうち96%は病院でインターンを終えたばかりの新米医師か、内科や外科などの資格を取得したばかりで、経験の浅い医師ばかりだ。この医師らは国防の義務を果たすべき3年間を、短期服務の軍医官として従事しているが、いずれも臨床経験が不十分なため、難易度の高い治療を行うには力不足だ。
韓国には86人の外傷外科専門医がいるが、そのうち軍病院に勤務している人は1人もいない。また軍病院には、戦争の際に重要な役割を果たす化学戦、生物戦、放射能戦、細菌戦などに備えた専門医もいない。軍には軍医を自らの職業とし、長期の勤務経験を持つ軍医官が90人以上いるが、前方、後方に散らばる20カ所以上の軍病院を管理する「病院行政軍医官」として配置するには不十分な人数だ。ちなみにこの20カ所の病院には7000床以上のベッドがある。
そのため銃撃などで兵士が重傷を負った場合、主に民間の病院に治療を任せている。2009年、兵士の治療の際に軍病院では手に負えず、民間の病院に委託されたケースは2344件に上った。そのため、国防部(省に相当)が治療費として民間病院に支払った治療費は372億ウォン(現在のレートで約27億9000万円、以下同)に達した。こうした民間への委託診療件数は毎年増加しており、05年には576件だったが、ここ4年間で4倍に増えた。委託された治療内容は主に指の切断、骨折、ヒザのじん帯損傷、脊椎損傷、複雑骨折などだ。つまり兵士の治療を行う軍病院は、自分たちが本来やるべき治療でさえできないというわけだ。
■韓国戦争当時から使用されている建物も
ソウルから京春街道を春川方面に向かうと、春川郊外の道路沿いにみすぼらしい軍病院が見える。入り口には「健康な将兵育成」と書かれているが、病院の中に入ると、この言葉が色あせるように暗い雰囲気が漂っている。1972年に建設された平屋建ての病棟では、50人から60人の兵士が治療を受けていた。病院の敷地内には、韓国戦争(朝鮮戦争)当時から使用されている建物もある。医療陣が患者を治療する診療室はセメント作りで、古い映画に出てくる野戦病院を連想させるものばかりだ。救急治療室には酸素治療を行う医療器具が備わっていないため、必要なときには酸素ボンベを使用している。患者が共同で使用する浴場は、タイルがはがれ落ち水が漏れ、さび付いている。現在、軍病院の多くは改装作業が行われているが、この病院のように、かつての幕舎病院のような古びた病棟も各地に残っている。
軍病院の施設や機器不足に問題があるだけでなく、医師の治療技術も信用できないとして、兵士の中には軍病院での治療が可能な軽傷でも、わざわざ休暇を取って民間病院に行き、自費で治療を受けるケースも増えている。昨年はこのようなケースが1300件に上った。国軍首都病院に勤務するある軍医官は「軍病院で治療を受ける際の費用は無料だが、あえて外で治療を受けようとする兵士が多い」と話す。
京畿道のある軍病院の院長(大領=大佐、医師資格保持者)は「軍医官たちは、ある程度の臨床経験を積むころには除隊してしまう。そのため、軍病院内ではいつになっても医療技術が蓄積されないというのが現状だ」「短期の兵役期間に軍医官として従事している医師たちには、有事の際に必要な戦闘用軍陣医学を熟知させることさえ難しい」と語った。
(朝鮮日報)
韓国海軍によるアデン湾の黎明(れいめい)作戦中に銃撃を受け、負傷したサムホジュエリー号の石海均(ソク・ヘギュン)船長は、治療のため韓国に移送された後、水原市内の亜洲大学病院に運ばれた。このニュースが流れると「銃創などの治療は軍の病院が専門に行っているはずだが、なぜ民間病院に運ばれたのか」と疑問視する声が相次いだ。これについて専門家は「医療水準が低い軍病院の現状が知られていないからだ」と指摘する。銃撃を受けて負傷した場合、現場の兵士でさえ軍病院ではなく、民間病院で治療を受けようとするという。これはつまり、軍病院の医療レベルや軍医官の能力が低いことを意味している。
■手術経験豊富な医師が少ない軍病院
昨冬に江原道春川市の部隊で、訓練中だった兵士が流れ弾に当たって負傷するという事故が発生した。銃弾は肋骨を粉々に砕いて体内に貫通し、肺など胸部に大量の出血を引き起こした。医療陣は直ちに胸を切開して破片を除去し、縫合などの処置を施す必要があった。負傷した兵士は軍病院のうち最も規模の大きい国軍首都病院に緊急移送されたが、この病院には兵士の治療や手術を行える軍医官が1人もいなかった。集中治療室も、この種の重傷患者を治療するには施設や医療器具が不十分だった。結局、この兵士は城南市にある「盆唐ソウル大学病院」へと再び移送され、手術を受けた。
哨戒艦「天安」爆沈、延坪島砲撃など北朝鮮による挑発行為が相次ぐ中、60万人の兵士の健康と生命を守る軍医官は2100人いるが、そのうち96%は病院でインターンを終えたばかりの新米医師か、内科や外科などの資格を取得したばかりで、経験の浅い医師ばかりだ。この医師らは国防の義務を果たすべき3年間を、短期服務の軍医官として従事しているが、いずれも臨床経験が不十分なため、難易度の高い治療を行うには力不足だ。
韓国には86人の外傷外科専門医がいるが、そのうち軍病院に勤務している人は1人もいない。また軍病院には、戦争の際に重要な役割を果たす化学戦、生物戦、放射能戦、細菌戦などに備えた専門医もいない。軍には軍医を自らの職業とし、長期の勤務経験を持つ軍医官が90人以上いるが、前方、後方に散らばる20カ所以上の軍病院を管理する「病院行政軍医官」として配置するには不十分な人数だ。ちなみにこの20カ所の病院には7000床以上のベッドがある。
そのため銃撃などで兵士が重傷を負った場合、主に民間の病院に治療を任せている。2009年、兵士の治療の際に軍病院では手に負えず、民間の病院に委託されたケースは2344件に上った。そのため、国防部(省に相当)が治療費として民間病院に支払った治療費は372億ウォン(現在のレートで約27億9000万円、以下同)に達した。こうした民間への委託診療件数は毎年増加しており、05年には576件だったが、ここ4年間で4倍に増えた。委託された治療内容は主に指の切断、骨折、ヒザのじん帯損傷、脊椎損傷、複雑骨折などだ。つまり兵士の治療を行う軍病院は、自分たちが本来やるべき治療でさえできないというわけだ。
■韓国戦争当時から使用されている建物も
ソウルから京春街道を春川方面に向かうと、春川郊外の道路沿いにみすぼらしい軍病院が見える。入り口には「健康な将兵育成」と書かれているが、病院の中に入ると、この言葉が色あせるように暗い雰囲気が漂っている。1972年に建設された平屋建ての病棟では、50人から60人の兵士が治療を受けていた。病院の敷地内には、韓国戦争(朝鮮戦争)当時から使用されている建物もある。医療陣が患者を治療する診療室はセメント作りで、古い映画に出てくる野戦病院を連想させるものばかりだ。救急治療室には酸素治療を行う医療器具が備わっていないため、必要なときには酸素ボンベを使用している。患者が共同で使用する浴場は、タイルがはがれ落ち水が漏れ、さび付いている。現在、軍病院の多くは改装作業が行われているが、この病院のように、かつての幕舎病院のような古びた病棟も各地に残っている。
軍病院の施設や機器不足に問題があるだけでなく、医師の治療技術も信用できないとして、兵士の中には軍病院での治療が可能な軽傷でも、わざわざ休暇を取って民間病院に行き、自費で治療を受けるケースも増えている。昨年はこのようなケースが1300件に上った。国軍首都病院に勤務するある軍医官は「軍病院で治療を受ける際の費用は無料だが、あえて外で治療を受けようとする兵士が多い」と話す。
京畿道のある軍病院の院長(大領=大佐、医師資格保持者)は「軍医官たちは、ある程度の臨床経験を積むころには除隊してしまう。そのため、軍病院内ではいつになっても医療技術が蓄積されないというのが現状だ」「短期の兵役期間に軍医官として従事している医師たちには、有事の際に必要な戦闘用軍陣医学を熟知させることさえ難しい」と語った。
(朝鮮日報)
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