３人が死亡した京都府福知山市の花火大会の露店爆発事故で、京都府警は２日、火元となったベビーカステラ店の店主でとび職、渡辺良平容疑者（38）＝大阪市生野区巽北1＝を業務上過失致死傷の疑いで逮捕した。やけどの治療を受けていた渡辺容疑者が２日に退院したため逮捕に踏み切った。容疑を否認しているという。

　逮捕容疑は８月15日午後７時半ごろ、福知山市の由良川西岸の花火大会会場で、ガソリンを噴出させて爆発事故を起こし、京都府京丹波町の山名空君（10）ら３人を死亡させ、見物客ら54人に重軽傷を負わせた疑い。

　府警によると、渡辺容疑者が携行缶に入ったガソリンを発電機に給油する際、缶の空気抜きねじを緩めて内圧を下げるなどの措置を怠って給油口のキャップを開けたため、ガソリンが噴出、露店の鉄板の火が引火して爆発が起きたという。

　府警によると、渡辺容疑者は「３人の方が亡くなり、多くの方がけがをされ、申し訳なく思っております」と供述する一方、キャップを自ら開けたことを否定。「携行缶を移動させようとしたところ、キャップが飛んでいき、ガソリンが噴き出した」と容疑を否認しているという。

　事故当日は最高気温37.2度を記録する猛暑だったうえ、午後３時ごろから携行缶を発電機の近くに置いたため、発電機からの熱風で携行缶の内圧が高まったとみられる。

　府警は当初、燃え広がり方や爆発の起き方を確かめる燃焼実験も実施予定だったが、危険と判断し断念した。

〔共同〕