原発対応:政府ピリピリ 小泉元首相発言に汚染水漏れ

毎日新聞 2013年10月05日 00時06分(最終更新 10月05日 01時14分)

汚染水が漏れ出たタンク(中央奥、解体中で背の低いタンク)の前で、第1原発の小野明所長(左)から説明を受ける安倍晋三首相(中央、赤いヘルメット)=福島県大熊町で2013年9月19日午後、代表撮影
汚染水が漏れ出たタンク(中央奥、解体中で背の低いタンク)の前で、第1原発の小野明所長(左)から説明を受ける安倍晋三首相(中央、赤いヘルメット)=福島県大熊町で2013年9月19日午後、代表撮影

 原発政策をめぐって、政府・自民党に緊張感が高まっている。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」発言が永田町に驚きを与え、東京電力福島第1原発の汚染水漏れが「もぐらたたきの状況」(東電の広瀬直己社長)のためだ。原発で新たな問題が発覚するつど、安倍晋三首相の「状況はコントロールされている」発言との整合性を問われる事態になっており、政府・自民党は神経をとがらせている。【小山由宇】

 「次の国会ではこの(原発)問題が大きな話題になる。一生懸命やらないといけない」

 首相は4日、首相官邸で面会した自民党の「福島原発事故究明に関する小委員会」メンバーにこう語り、15日召集の臨時国会で、この問題を強く意識していることを強調した。

 同小委は▽福島第1原発でコンクリート製遮水壁の構築検討を▽汚染水が港湾外の海底から噴出している可能性がある▽経済性によって原発の再稼働か、廃炉かを判断する−−などの提言を首相に提出した。ただ、こうした政策修正を促す声は党内では少数派だ。安倍政権も高い支持率を背景に、今の政策を維持する姿勢を変えていない。

 一方、政界引退後も注目される小泉氏は1日、名古屋市で講演し「原発を進めるのは無責任だ」「日本は原発ゼロでも十分やっていける」と語るなど「脱原発」を強力に発信し始めた。ただ、安倍首相が小泉政権で重職に起用され、政界での地歩を固めただけに、安倍政権の歯切れは悪い。菅義偉官房長官も真っ向から反論せず、「言論の自由だ」。石破茂幹事長も「有識者としてご意見を承る機会があるかもしれない」と低姿勢が目立つ。

 加えて福島第1原発では3日、港湾外への汚染水流出が新たに発覚。菅氏は同日の記者会見で「(状況は)全体としてはコントロールできている」と強調したが、トラブルが相次げば、世論の批判は避けられない。政府高官は東電に「一ミリも(汚染水を)漏らすな」と厳しく指示するなど、対応に躍起になっている。

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