放射性汚染水:浄化装置、処理を再開
毎日新聞 2013年10月04日 20時29分(最終更新 10月04日 21時49分)
東京電力は4日、福島第1原発の放射性汚染水を浄化する多核種除去装置「ALPS(アルプス)」で同日午前6時45分ごろ、異常を知らせる警報が作動したため汚染水の処理が停止したと発表した。目詰まりをなくす作業中に問題が発生したもので、同日夕、処理を再開した。汚染水の漏えいなどは確認されていないという。
東電によると、放射性物質を取り除く吸着材付近で目詰まりが発生。水を逆流させて解消する処置をした。ところが、逆流した水を受け入れるタンクが別の作業中だったため、自動停止した。
本来、タンクは二つあったが、作業員が誤った選択をしたという。東電は記者会見で「今回の事象は想定外だったが、機器などの設計ミスではない」と説明した。
アルプスは62種類の放射性物質を除去することができ、政府や東電は汚染水対策の「切り札」と位置づけている。今年3月に試運転を始めたが、タンクの腐食による水漏れが見つかり停止。9月27日に試運転を再開したものの、人為ミスによるトラブルが相次いでいる。【奥山智己】