【ダマスカス=杉山正】シリアの化学兵器廃棄に向け、首都ダマスカス入りしている化学兵器禁止機関(OPCW)と国連の合同査察団の関係者は4日、全土に25カ所の化学兵器の製造・貯蔵拠点があることを、朝日新聞の取材に明らかにした。施設は反体制派支配地域や内戦の激戦地などにもあり、査察は困難が予想される。
査察団が把握したシリアの化学兵器の実態が、初めて判明した。この関係者によると、総量は1千トンと推計され、製造や貯蔵をする施設はダマスカスから20キロほどの郊外や、反体制派との激戦地ホムスやハマなどに点在する。施設は、コンテナほどの小さなものから、ホテルのような大規模なものまであり、8カ所は移動式だという。
査察団はシリア政府の申告に基づき、化学兵器の担当者らに質問を重ねた。貯蔵形態や施設の位置などすべてについて詳細で「満足できる回答」があり、信用できると判断した。
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朝日新聞国際報道部