修了生の声 of 名古屋大学法科大学院


3-名大マーク5-S.png 国立大学法人 名古屋大学 法科大学院

名古屋大学法科大学院修了生から

写真.jpg水野 明里(弁護士)

「これから法曹になられる皆さんへ」

 私は,現在愛知県一宮市の法律事務所で弁護士として働いています。まだ駆け出しで日々失敗だらけですが,職場にも恵まれ,少しでも早く人の役に立てるようになりたいと前ばかり向いている幸せな毎日です。

 私は,名古屋大学法学部出身ですが,学部時代は政治学ゼミに所属しており,法律にはあまり興味がありませんでした。しかし,体調を崩して休学した間に,一度きりの人生思い切って自分の力を試してみたい!と思い,一発奮起して急遽LSへ入学するに至りました。もともと弁護士への憧れはあったのですが自分には無理と決めつけていました。休学という辛い経験が私に勇気をくれたのだから,人生の吉凶禍福はわからないものだとしみじみ思います。

 もっとも,突然の進路決定だったため,入学後はとても苦労をしました。学部時代には法律科目は最低限履修しただけでしたので,予習も形式的に終わらせることで精一杯という状態です。やっぱり私には無理なのだと,いっそ辞めてしまおうと考えたことも度々ありました。ですが,LSには仲間がいます。相談をしたり,一緒に大笑いをしたり語り合ったり美味しいものを食べたりする仲間がいたお陰で,何とか乗り切ることができました。もちろん,不安感に負けて身近な人にあたってしまうこともありましたが,その時支えてくれた人がいたから今の私があるのだと,感謝の気持ちを仕事に還元していこうと思います。

 私がLS生活で最も重要と感じたのは,いかに自分のペースを守るか,ということです。仲間の存在は,支えになる一方プレッシャーにもなります。徹夜で自習室にこもって勉強をする人もいる中で,体力のない私は,LSは講義を受けたり仲間と交流したりする場と割り切り,自宅でのんびりと勉強するスタイルを維持しました。また,体力的に徹夜は無理とわかっていたので,課題は必ず締め切り2日前にはほぼ完成させるよう心掛けました。早い段階からゼミに取り組む人もいましたが,予習復習で精一杯だった私は,ゼミには3年生になってから少し参加しただけでした。

 私のLSでの成績は決して良いものではありませんでした。それでも,LSでの課題には毎回真剣に取り組み,結果は伴わずとも気持ちだけはいつも優秀答案を目指していました。名古屋大学法科大学院はIT環境が整っており,他の人の課題レポートを閲覧できるシステムがあります。そこで,優秀な人の論文を印刷してひたすら読んでは,どうしたらこういう論文がかけるのか考えました。この作業は論文試験に大いに役立ったように思います。3年後期になると,教授の研究室へ質問に行くなど精力的に勉強をするようになりました。教授は質問に対して常に熱心に回答して下さり理解も急激に深まったので,皆さんには積極的に教授に質問に行かれることをおすすめします。

 こんなマイペースな私も,何とか試験本番に間に合い合格することができました。LSでの成績は当然良いにこしたことはありませんが,努力がすぐに成績に反映されなかったとしても,私のように本番までに間に合う人もいることを励みにして下されば幸いです。
現在は,法曹界の先行きを案ずる声をよく耳にします。確かに私も就職には苦労をしました。ですが,昔も今も法曹の仕事の素晴らしさには何ら変わりはないはずです。法曹界の現状に耳を傾けることも必要ですが,もし法曹の仕事に魅力を感じるのであれば,ぜひLSで勉強をして法曹の世界を目指してください。一度きりの人生だし,思い切ってチャレンジすれば,どのような形であれ満足のいく未来に辿り着くはずです。

 これから法曹になられる皆さんの幸せな未来を,心よりお祈り申し上げます。

s-OS11D-189.jpg藤根 桃世(裁判官)

「法科大学院の3年間をふりかえって」

 名古屋大学法科大学での3年間は,今振り返っても,本当に楽しく,充実した,宝物のような日々でした。

 先生方は本当に指導熱心な方ばかりで,時にやさしく,時に厳しく,熱意のある授業でしっかり基礎を叩き込んでくださいました。また,分からない点を質問すれば,納得できるまでとことん付き合ってくださいました。カリキュラムの後半では,実務家の先生方による授業により,将来法曹となる上で必要となる実務的知識や思考方法を教えていただきました。名古屋大学法科大学院は,授業が比較的少人数で行われることもあり,実務家の先生とは本当に近い距離で接することができ,勉強面だけではなく,将来どのような法曹になりたいかという将来の指針も与えていただきました。

 法科大学院では,同じ目標を持つたくさんの仲間とも出会うことができました。同級生とは,自習室で毎日遅くまで残って分からないところを教えあったり,一緒に課題に取り組み,何人かで勉強会を行ったりもしていました。皆で最高裁の判例解説を読み,判例を検討したり,問題演習を行って皆で添削しあったり,難しい問題は,夜中まで議論をしていたこともありました。

 毎日の勉強は楽なものではなく,司法試験へのプレッシャー等で精神的にも辛くなったこともありましたが,仲間の励ましや,先生方のサポートにより,乗り越えることができました。

 無事に司法試験に合格することができた私は,現在は大阪地方裁判所の判事補として勤務しています。裁判官になってからも,自分の力不足・勉強不足を感じ,反省ばかりではありますが,憧れていた裁判官になり,やりがいのある仕事をすることができる喜びでいっぱいです。

 法科大学院で精一杯勉強をした日々は,皆さんの人生にとってかけがえのない財産となるはずです。是非名古屋大学法科大学院で勉強し,夢を叶えましょう!!!

▲ ページトップへ