'13/10/5
乾杯条例から3カ月 東広島
酒どころの東広島市が、7月1日に日本酒による乾杯を広める条例を施行して3カ月がたった。効果があったと喜ぶ飲食店がある一方、条例を知らない市民もおり、十分浸透しているとは言い難い。12日に始まる市最大のイベント「酒まつり」に知名度アップと定着への期待がかかる。
条例施行に合わせ、地元の酒造会社9社でつくる西条酒造協会は「日本酒でかんぱいしょーやぁ」と書いた短冊3千枚を飲食店などに無料で配布。追加の6千枚を用意する。市はインターネットなどで情報発信し、幹部も行事のあいさつで条例を紹介してきた。
ただ、広めていくには難しさもある。JR西条駅近くの飲食店店主(33)は「正直、最初はビールを頼む人も多い。店側がうまくリードしないとなかなか乾杯してもらえない」と明かす。
同様の条例は各地で増えるが、反対の動きもある。宮崎県都城市では9月、市議会が焼酎での乾杯を勧める条例制定を求める陳情を不採択とした。
全国に賛否両論ある中、東広島市は施行後初めての酒まつりを迎える。西条酒造協会の前垣寿男理事長(66)は「涼しくなるこれからが日本酒のシーズン。遊び心を持って息の長い運動にしたい」としている。
【写真説明】飲食店に集まり日本酒で乾杯する会社員たち(東広島市)